録画してあった中国映画『覇王別姫』を見ました。
中国の激動の20世紀を背景にした約3時間の大作を、15分ずつくらい細切れに見ました。
テレビの「大河ドラマ」を「朝ドラ」的に見た感じです。
監督さんには悪いけど3時間も集中してられません。15分ほど見て、「今日の続きはまた明日のお楽しみ」というのがちょうどいいです。
力作ですが、ややこしい。
清朝崩壊国民党政府成立日中戦争共産党中国成立文化大革命の惨劇を背景にというだけでもややこしいのに、主役が京劇俳優なので、そっちもややこしい。
はじめに「京劇俳優養成所の支配人」みたいな老人が登場するんですが、立場がよくわからない。
「京劇俳優養成」というより「浮浪児を駆り集めてなぐりまくってしごいてる」みたいで非常にえげつないんですが、どうもこの老人は単なる暴力おやじには見えない。
重要な役どころなのにはっきりしない。
で、しごかれてたうちの少年二人が「さてそれから数年後」という感じで一気に人気俳優になってるところからお話が始まるんですが、「京劇世界」がよくわからんのですっきりしませんでした。
例によってアメリカでの評判はどうかと調べたら、タイトルが『FAREWELL MY CONCUBINE』になってました。
「CONCUBINE」を辞書で調べたら、「側室。めかけ。第一夫人ではない夫人」と出てました。
『覇王別姫』はもともと京劇の人気演目で、高校での漢詩の知識を引っ張り出すと、「覇王」は英雄項羽、「姫」は「虞美人」のようです。
『覇王別姫』が、『さらばわがお妾さん』『さらばわが第一夫人ではない夫人』ではおかしいのじゃないか。
で、漢和辞典で「姫」を調べたら、もともとの意味は「身分の高い人の妾」だそうです。
『さらばわがお妾さん』で正しいみたい。
きのう書いた朝香宮さんが「第5夫人の子」と書きましたが、ちょっとちがうんでしょうね。「第何夫人」というのは現代風というか西洋風呼び方かな。
西洋の王様で、「愛人」に男の子がいても「お家断絶」しますから、東洋の感覚とは違います。
キリスト教では「王様の子でも正式な奥さんから生まれた子でないと後継ぎじゃない」ということになってるんでしょうか。
それにしても「CNCUBINE」ってなんかおかしな響きですね。