若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

高速バス

電車のつり広告。
高速バスの宣伝だ。

漫画が描いてある。
バス停に停まった高速バスから、かわいい熊が顔を出している。

「ばすくまちゃん」と書いてあるので、このマスコットキャラクターは、「ばすくまちゃん」という名前だとわかる。

は〜、そうですか、というほかない。
なんのひねりも工夫もないところがかえって心地よい感動を呼ぶかな。
呼ばんな。

ほんとにありあわせの名前を適当にお手軽につけられたのにもめげず、バスからのほほんと顔を出している「ばすくまちゃん」が気の毒である。

若草山の「鹿せんべい飛ばし大会」のためにつけた「若草鹿之助」という名前といい勝負だ。
「ばすくまちゃん」を見ていて連帯意識が芽生えてきた。
こんな気持ちで「ばすくまちゃん」を見ているのは私くらいのものだろう。

絵の上に「ヨヤクマダ?!」と書いてある。
問題は、この、「ク」の上と「マ」の上に点が打ってあることだ。
ぱっと見ると、「ヨヤ『クマ』ダ?!」と読んでしまうではないか。

なんじゃ、これは。
「ヨヤ『クマ』ダ?!」とは?

「ばすくまちゃん」級の洒落になっているに違いないと思って頭をひねったが、わからん。

最近、よく人がクマに襲われている。
高速バスのバス停には、クマが出没するところもあるので注意してほしいということだろうか。

徒然草」を思い出した。
にじみ出るほどの教養がないので、あらゆる機会を捉えて、教養のきれっぱし的なものをちらつかせる必要があるので忙しい。

「ねこまた」という話がある。
猫の化け物「ねこまた」が出るという話におびえた人が、夜、自分の飼い犬が飛んできたのを「ねこまた」だと思って叫ぶ。

「助けよや、ねこまた、よやよや」

中学か高校で習ったのだが、この「よやよや」がなんだかおかしくて覚えている。
「ヨヤ『クマ』ダ」の「ヨヤ」は、「徒然草」の「ねこまた」の「よや」ではないかと、高級なことを考えたが、敵はそれほど高級ではなかった。

隣に、「高速バスのご予約はインターネットが便利です」と書いてあるのを見て理解できた。

「ヨヤクマダ?!」は「予約まだ?!」なのだな。
どうしても「ばすくまちゃん」と関係付けたいので、「ヨヤ『クマ』ダ?!」にしたのだろう。

あまりにも強引かつ不自然なところがかえって感動を呼ぶかな。
呼ばんな。