若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

カントリーワールド

掲示板に登場の清水さんは、カントリーワールドの人である。

清水さんを知ったのはY森さんのおかげだ。Y森さんが、私たちのバンドのライブで、パット・ブーンの曲を歌うというので、司会役の私はネタを仕入れるためインターネットをのぞいた。
その時、清水さんのホームページに行き当たって、エッセイのファンになった。行間からにじみ出ると言うかほとばしると言うかあふれ出ると言うか、カントリー音楽に対する愛情をうらやましく思い、恐るべき知識に感心して読んだ。

ふと、この人に聞いたら、あの曲のことがわかるかなと思った。大学の時、ポール・ニューマンの「暴力脱獄」という映画を見た。しょーもない映画である。このしょーもない映画をなぜ覚えているのか私の脳に聞きたい。

主人公が酔っ払ってパーキングメーターを叩き壊して刑務所に入れられる。この刑務所が、恐るべき強制収容所なのだ。何度も脱獄を繰り返し、最後は射殺されたと思う。
何度目かの脱獄の時、トラックに乗ったポール・ニューマンがバンジョーを弾きながら歌を歌う。何のとりえも、希望もないような男が、運転席でゆれるプラスチックのマリア像を見ながら、しんみりと歌うのが実にあわれであった。
名曲なのか、映画のために作った曲なのか。ずっと心に引っかかっていた曲について、思いきって清水さんにメールで質問した。

しばらくしてCDが届いた。手作りのCDに、なんと、ポール・ニューマンの歌う「プラスチックのマリア様」が入っているではないか!
それだけでもびっくりであるのに、岩井宏の「紙芝居」という曲も入っていた。岩井宏の名前は知らなかったが、「紙芝居」という曲は覚えていた。
昔、ラジオで一度だけ聞いたことがあるのだ。「プラスチックのマリア様」とメロディが同じだ。

カントリーの古い曲らしい。岩井さんはそれに歌詞をつけたのだ。私は、どちらも一度聞いただけなのにおぼえていたのだ。私は、こういうメロディに弱いようだ。

一面識もない私への厚意に感激して、清水さんにお礼のメールを入れた。
返事が来た。
「音楽を愛する人は、みな友達です」

しびれました。
自然にこう言える人はちょっとないだろう。
感激のあまり、拙作「鹿せんべいツイスト」CDを送った。
恩を仇で返すとはこのことだ。