母のいる施設に行く。
新顔のFさん(90歳女性)が、話すのを聞いていると、亡くなった伯母たちを思い出す。
父の三人の姉と、話し方が似ている。
言葉づかいというか口調というか、非常によく似ている。
この施設で初めての経験である。
聞いていると、ちょっとうれしくなる。
たぶん、伯母たちとよく似た人生だったのだろう。
大阪市内で生まれ育ち、高等女学校卒。
家は、商家でも農家でもない。
こういうことをご本人に聞いてみたいが、残念ながら話が通じない。
きちんとした「文章」が、脈絡なく口から出る。
こちらが質問すると、返事になってない返事が、きちんと返って来る。
非常に惜しい気がする。
もう少しのことで話が通じるのに。
くやしい。
亡くなった人の写真とか、形見の品とか、思い出すきっかけになるものはいろいろあるが、「話し方」というのは、意外でもあり、楽しい発見であった。