若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

鹿せんべい飛ばし大会2

毎年、会場で、見知らぬ人達から声をかけられる。
有名人だからだ。
年一度ここでだけ有名人になる。
「一日署長」みたいなものか。
ちがうか。

観光振興会の人と話してたら、後ろから、「鹿之助!鹿之助!しーかーのーすうけー!」というけたたましい声が聞こえた。
振り向くと、17、8の男の子だ。
毎年、こういう、知恵遅れという感じの子がCDを買ってくれる。

CDとサインペンを差し出して、「鹿之助!」と連呼する。
「CDにサインするの?」と聞くと、ニコニコとうなずくのでサインして、名前を聞いて、「○○君へ」と書いて渡した。
「○○君」というのは、個人情報保護の観点からではなく、忘れたからである。

うれしそうにCDを受け取ると、○○君は、今度は紙を差し出した。
四角いボール紙のような紙である。

「これにもサインするの?」と聞いたら、うれしそうにうなずく。
「このへんに書こうか?」
「うんうん」
この子が、何に使う紙なのかわからないので、遠慮がちに小さく書いた。

うれしそうに去っていった。
去っていってから、ふと気づいた。
あれは、「色紙」だったのではなかろうか。
「色紙」慣れしていない私は、単なる白い四角いボール紙と思ったのだが。

芸能人や、スポーツ選手はよく「色紙」を頼まれる。
○○君は、あの色紙に、「闘魂!若草鹿之助」てなことを、デカデカと書いてほしかったのではなかろうか。

○○君は、私がすみっこにちょろちょろとサインしたあの色紙を、部屋に飾っているのではなかろうか。
どう書くか、もっとちゃんと確認すべきであった。
ごめんな、○○君。

今年も「鹿之助ガールズ」が登場した。
凸1+凹2のトリオである。
凸さんは東京から、凹さんたちは、夜勤明けとか体調不良とかを押してかけつけてくれた。
「鹿Tシャツ」の肩に、「鹿」「之」「助」のワッペンまでつけて。
なぜそこまで、と思うが、この人達の先祖が鹿の密猟者で、そのたたりを受けているのかもしれない。

若草山観光振興会」のはっぴを着た、フランス人美青年とも写真をとった。
子供のころ、日本のアニメを見て日本に関心を持ち、高校の時留学して、今は大学で日本文化を研究している。
日本語はぺらぺらであった。

鹿せんべい飛ばし大会は、奈良の伝統的行事で・・・」
「フランス人や思て、なめとったらあかんで」
「失礼しました」