若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

漫才教室じゃなかった料理教室

料理教室。
メニューは、野菜の肉巻き、かぶらのすり流し、卯の花、ひじきの炊き込みご飯と、盛りだくさんである。

今日は、Aさんというパンチパーマのおじさんといっしょだった。
東大阪の中小企業経営者という感じだと思ってたら、そうでした。
奥さんが糖尿で心臓も悪いため、家で料理をしている。

「いつから習ってるんですか」
「先月からです。若草さんは?」
「6月です」
「ほな、先輩ですな。何年生まれですか」
「21年です」
「ワシの方が上か。ワシは18年。ほんで若草君・・・」
「わ、若草君て、私の方が先輩ですよ」
「そうかて、ワシの方が年上やがな」
「こういう世界では一ヶ月でも先に入った方がえらいの」

先生が、「あの、先に野菜を洗ってもらっていいでしょうか」
二人で洗う。
「若草君、ごぼう!」
「洗いましたよ」
「もっとごしごし洗わんとあかん。にんじんも」
「洗いましたって」
「あかんあかん。そんな洗い方じゃあかん」
「先生、Aさんが姑さんみたいなこというんですよ」
「まあまあ、なかよくやってください。Aさん、お砂糖をスプーンいっぱい量っていただけますか」
「う、これ、固まってるがな。やりにくいなあ」
「先生、量っていただけますかなんて、やさしい言い方するから文句いうんですよ。量りなさい!でいいんですよ」
「そんな言い方されたら、ワシは承知でけん」
「でけんて、こっちは先生、Aさんは生徒でしょ」
「カネはろてるがな。カネいうたら、今日のメニューはマシや。量が多いからな。この前は最悪やったで。サバのみぞれ煮とほうれん草のおひたしだけ。今日は牛肉もあるし、四品や。こないだは、サバの片身とほうれん草だけやで。これでおんなじ値段か。カネ返せて言いたいわ」
「口ばっかり動かさんと手を動かしなはれ。先に進まんがな」
「いや、女房が病気やろ。こんなとこへ来て、言いたいこと言わんとな。家では朗らかに料理してるんや」
「顔に似ずやさしいとこもおますねんな」
「あんたもたいがい言いたいこといいやな」
「まあまあ、若草さん、味見をお願いします」
「・・OKです」
「Aさん、いかがですか」
「・・OK?これは薄いわ!」
「あのね、奥さん、糖尿でしょ。それを考えて薄味にしたんですよ。私の心配りがわかってもらえませんか」
「い、いや、そ、そうかいな」

楽しかったです。