朝、料理教室に行く。
沿線に女子大があるから、電車はいつも女子大生でいっぱいだ。
私の横で、二人がぺちゃくちゃおしゃべりしている。
バイト先で、毎日終業時間が来るのを楽しみに仕事をしていた。
ところが、最近彼女の目の前の壁に、時計が設置された。
いやでも時計が目にはいる。
時計が設置されて以来、時間のたつのが遅くて困る。
「あ〜、まだ5分しかたってない」
「まだ10分・・・」
彼女は、時計を外してくれと、店長に頼もうかと思っている。
話は突然変わる。
彼女のお姉さんのルーズリーフノートの話だ。
お姉さんも大学生のようだ。
お姉さんは、学校でルーズリーフノートが足りなくなると、買う。
足りなければ買えばいい、と思うのは素人の浅はかさ。
お姉さんは、買ったルーズリーフを一枚ノートに足すだけなので、学校でしょっちゅうノートが足りなくなる。
足りなくなると、買う。
また足りなくなると、また買う。
だから、お姉さんは、大量のルーズリーフを持っている。
こんなに買ってどうするのと、妹があきれるほど大量のルーズリーフを持っている。
妹は思う。
学校でルーズリーフが足りなくなったら、友達に借りればいいのに。
私も、同感であった。
話を聞いていたもう一人の女子大生も同感だろうと思ったが、ちがった。
「でもなー、友達から借りたルーズリーフって、使いにくいねんなあ」
「あ、それはいえるワ。友達のルーズリーフって、なんか使いにくい」
「線の幅とか、微妙にちがうやん」
「そうそう!たまに、無地の子いるしー」
「信じられへんよなー、無地って。どうやって使うねん!?って感じ」
「線ぐらい入れといたれよ!」
「それに、最近、紙質の悪いのもあるし」
「あるある、再生紙かなんかしらんけど、感じ悪いよなー」
「いろんなメーカーのあるけど、ルーズリーフはやっぱりマルマンやな」
「マルマンやな」
ちがいのわかる女子大生の結論。
ルーズリーフはマルマンです。