一番心配なかった曲が、「アイキャンウエイトフォーエバー」で、次に心配が少ないのが、ベンチャーズの「キャラバン」。
いつもベンチャーズの曲は、私がリードギターを弾く。
不安いっぱいである。
今回の「キャラバン」は、どう考えてもムリそうだったので、T君に押し付けた。
私はリズムギターだから、最悪、T君の横で立ってればいい。
ニコニコ笑いながら立ってればなおいいし、腕を動かせるなら動かせばいいし、音が出てもいいし、出なくてもいい。
気楽なもんだ。
ドラムのIさんの、アドレナリンだけが不安材料だから、従来に比べて、不安材料は激減である。
さて本番。
T君の演奏を横で聞きながら、うまいもんだなあと思った。
弾きまくっとります。
これを自分で弾かなければならないと想像しただけでもぞっとした。
Iさんのアドレナリンは順調に分泌されたようで、無事終了。
ところが、ステージを下りて、T君がIさんに、「1小節、飛びましたよね」といったので驚いた。
「飛んでないよ!」というかと思ったIさんが、「飛んだ飛んだ。1小節飛んじゃった」といったので、また驚いた。
飛んだんですか?
気づきませんでした。
私は、動物的ともいえる反射能力で対応したようだ。
さて、無事にはすまないのではないかと懸念された、Y森さんの、「ブルースエードシューズ」であるが、この曲は、前奏もなく、いきなりY森さんのボーカルから入る。
これは緊張しますよ。
出だしでこけたら、あとはボロボロでしょうな。
取り返しがつかない。
Y森さんは、緊張に押しつぶされそうな雰囲気であった。
Y森さんのステージについては、これまで何度も書いてるので、もういいという方が多いと思う。
この日記は、スキャンダラスな出来事を書くのが目的ではないし、今回は、まあ無難であったというにとどめておこう。
ただ、Y森さんと私たちが、演奏を終って廊下に出たら、会場から出てきた奥さんが、人目を避けて逃げるように帰って行く後ろ姿が目に入ったのが、印象的であった。
夫婦という不思議な縁を思ってしみじみしてしまった。