若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

発表会

きのうは、ヤマハの発表会。
会場は、大阪市内のおしゃれなシティホテルのレストランで、まあ、ディナーショウの出演者気分を、味わう厚かましさがあれば味わえないこともないのであった。

ヤマハ卒業生の丑之助君とみかちゃんが、双子ちゃんを連れて見物に来てた。
双子ちゃんは、演奏そっちのけで、はしゃぎまわってた。
正しい鑑賞態度である。

ヤマハを代表する熟女U山さんは、毎回肌もあらわな妖しい衣装で妖しくかつふてぶてしく歌うのであるが、今回は、「真夜中のギター」をしおらしい衣装でしおらしく歌った。
横でギターを弾きながら、ひょっとすると、U山さんは、妖しい人でもふてぶてしい人でもなく、しおらしい人なのかもしれないと思った。

もちろん、一回くらいしおらしかったからといって、油断してはいけない。
注意深く見守りたい。

ヤマハを代表する珍青年どて君は、「翼をください」を歌った。
彼の声を、なんと表現すればいいのだろうか。

例えば、私の声なら、「ビロードのような声」とか「マダムキラーボイス」とか、いろんな言い方がある。

どて君の声は、なんとも言いようのない声である。
「間の抜けた声」とでも言えばいいのだろうか。

彼は、サックスも習っている。
サックス演奏のとき、彼は時々「キュー!」とか変な音を出す。
サックスを吹きながら奇声を発しているのかと思った。
そんな声なんです。

珍青年どて君が、ステージでライトを浴びて、うれしそうに、御陽気に、脳天気に、間抜け声を精一杯張り上げたあげく、音を完全に外しまくって、「♪翼をください」と歌うのを聞いていると、何だかしみじみしてくるのであった。

しみじみしているのは私くらいで、場内爆笑はいいとして、伴奏のギターの先生が、弾きながら最初から最後まで腹を抱えて笑い転げてたのは、プロとはいえ器用なものだと感心した。

彼が「翼をください」と声を限りに熱唱すればするほど、この男に翼を与えればとんでもないことになる、と思えてくる。
翼がなくてもここまで飛んじゃうんだから、どこまで飛んでいくかわからない。

いや、ちがうか。
どて君は、飛んでるのじゃなくて、落ちていってるのか。
放っておけば、どこまで落ちるかわからない。

やはり、翼を与えるべきか。
彼が墜落するまでに結論を出さなければならない。

時間的余裕は、あまりなさそうである。