若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

父親がするべきこと

昨日の昼食は、カルチャーセンターのあるビルの地下のレストラン。

いつもサラリーマンでいっぱいです。
隣のテーブルには三人。
一人は私くらいの年配、二人は三十代位で、職場の先輩後輩のようです。

年配の男性の娘さんが結婚するらしい。

「イヤ、ボクはね、娘に関しては、後悔することはなんにもないんだよ。父親としてやるべきことは全部やったから。ボクくらい娘と接触密度の濃い父親はいないと思うよ。信じられんかもしれないけど、娘が小学生の間は、マージャンもしなかったし、付き合い、接待、全部断ってたからね。父親としてやるべきことはすべてやったという自信はあるね。ただひとつ、男の見抜き方は教えられなかったな。後は全部やった」

「じゃあ、式で泣かなくてすみますね」
「イヤ、それはちがうって。後悔が残るやつが泣かないんだよ」
「・・・そんなもんですか」
「そんなもんだよ。だから、言ってあるんだよ。途中で退席するよって。娘からの手紙とかあるじゃない。あんなもん聞かされたらたまりませんよ」

父親がするべきことを、私はしたであろうか。
長女と次女の顔を思い浮かべながら、自分の貧弱な胸に手を当てて、じっくり考えてみたが、よくわからなかった。

隣のテーブルの男性に、すみませんが、父親のするべきことってなんでしょうかと、聞こうかと思ったら、席を立って出て行ってしまった。