久々の料理教室。
今日のメニューは「ハイジの白パン」。
「ハイジの白パンてなにかな?」と聞いたら、小学生のころむさぼり読んで以来の熱烈なハイジファンである家内が、待ってましたとばかりに目を輝かせて語りだした。
「アルプスの少女ハイジ。『お〜い、ハイジ〜!』抜けるように青いアルプスの空におじいさんの声が響きます」
「い、いや、ハイジの白パンやがな」
「ちょっと待って!あとで出てくるから」
話の腰を折られて家内は機嫌を損ねたようだ。
おとなしく聞こう。
「・・・すると、メエメエという声が聞こえてきました。さあ、なんの声かな?」
家内はすっかり朗読モードに入っている。
しかたなく、「ヤギさん!」と答える。
「そう!ヤギさんだねえ」
ますます乗ってきました。
おとなしく聞いていたら、ハイジのアルプスでの楽しいお話がエンエンと続く。
クララが出てきておばさんが出てきて、なんだかわからんがハイジはフランクフルトに行くことになったようだ。
このあたりで眠くなってうとうとしながら聞いてたら、「白パンはカビで真っ黒になっていました」
ええ!「ハイジの白パン」て「黒パン」かいな?
まっくろけの白パンのことで意地悪な女中にいじめられるハイジが気の毒であったが、最後まで聞かずに出発。
「ハイジの白パン」、作りました。
焼くときにアルミホイルをかぶせて焼き色を付けないんですね。
あんまりというか全然ハイジと関係ないように思いました。
隣のテーブルでは70代と思える男性が二人、「アジのムニエル」に挑戦してました。
まず、アジの三枚おろし。
先生が、「こんなふうにウロコをとってください」
へっぴり腰でウロコをとってた一人が、「先生、裏側もとるんですか?」
あのねー。
片側だけとってどうする?
私と同年配と思える男女が受付でいろいろ質問してる。
男性が料理を始めようということのようだが、話すのはおもに奥さんだ。
「仕事やめたんでねえ、ひまでしょ。ず〜っとウチにおられても困るしねえ。40年間仕事一筋やったから、趣味もないし。ず〜っとウチにおられてもねえ。料理でも習ったらっていうて連れてきたんです」
「40年!ご苦労様でした!いつおやめになったんですか?」
「きのうです」