料理教室で「ハイジの白パン」を作った。
帰ったら家内が、集英社版少年少女物語文庫『アルプスの少女ハイジ』を読んでいた。
裏表紙に「三の五 ○○○こ」と、ひらかなで家内の名前が書いてある。
五十年前に買ったんですね。
ところどころセロテープで補修してあって、愛読、熱読、熟読の跡が見てとれる。
本の末尾の集英社の広告が「五十年前!」という感じで面白い。
「すぐれた名作・物語は、わたくしたちのむねに、勇気と希望をあたえてくれます。これからも毎月十日に、新しい物語が売り出されますから、全部読みましょう」
ぜんぶ!
少年少女にプレッシャーをかけてますね。
「なぜなぜ学習漫画文庫」のキャッチコピーは、「先生も、おとうさまも、おかあさまもおほめになる」
全体に非常にやさしい言葉使いだが、「おもしろ漫画文庫」は、「学校図書館・学級文庫に必備!」とのことである。
「必備!」はなんとかならんかったのか。
なぜ、「ぜんぶそろえましょう」にしなかったのかナゾである。
『アルプスの少女ハイジ』の訳者は、田島準子さん。
おお!
1910年生まれ、大阪府立大手前高等女学校卒!
「ある職業婦人の日記」を遺した伯母の一年後輩ではないか。
女学校で顔を合わせたことがあるかもしれないと思うと田島さんが一気に身近な人になる。
ネットで調べたら、山口県出身で、女流作家として文芸春秋の懸賞小説に当選したこともあり、戦後、主に児童文学の翻訳などで活躍した人のようだ。
田島さん、家内があなたの訳で楽しませていただきました。
ありがとうございます。