台風一過の日本晴れというわけにはいきませんね。
しょぼしょぼ降ってます。
今度の台風は奈良県でも大変な被害でしたが、ヘンな台風でした。
テレビの台風情報では、奈良市も早くから強風圏に入ってたし、その後大雨警報は出るは、暴風圏に入るはで、相当荒れると思いましたが、このあたりは風雨ともたいしたことなかったです。
テレビの進路予想図では、暴風圏の赤丸に完全に入ってましたが、どういうことでしょうか。
ありがたいことに長らく台風の恐ろしさを経験せずにすんでます。
子供のころ、恐ろしいものの代表が台風でした。
「地震雷火事親父」の恐ろしさはどれも体験したことがなくて、そういう言葉があることが不思議でしたが、台風は何度も経験して、その恐ろしさは身に染みてました。
「どうして大阪ばっかり来るんだろう」と恨んだものです。
学校でも先生たちが、室戸台風やジェーン台風の恐ろしさをよく話しました。
子ども心には、「ムロト」とか「ジェーン」とか、言葉のひびきだけでもアヤシクまがまがしい感じがしたもんです。
室戸台風の時、学校で先生たちが生徒を助けるために何人もなくなったという話には胸を締め付けられましたね。
私が体験した最も恐ろしい台風は第二室戸台風かな。
ウチのかなり大きな物干しが屋根から落ちたり、近所で電柱が倒れたりしました。
あと子供のころ恐ろしい思いをしたのは、紫雲丸と洞爺丸の沈没。
テレビもない時代だから新聞で見ただけなんでしょうが、私にとって、とてつもなく恐ろしい出来事でした。
それからダムの建設が怖かった。
小学校から映画を見に行くことがありましたが、ダム建設の記録映画を見たことがあります。
天竜ダムとか佐久間ダムとかをおぼえてます。
映画の中で、「二十三人の犠牲者を出して完成」とかいうんですが、この「犠牲者」、私は「イケニエ」「人柱」と思ってたんです。
ダイナマイトのスイッチを押して自分も死んでしまう人、という感じ。
子供のころのそういう誤解のせいで、私にとってダムというのは長らく神聖厳かな建造物でした。
ベトナム戦争の時、米軍がダムを爆撃したという記事を新聞で見たとき、猛烈に腹が立ったのをおぼえてます。
今、ダムが自然破壊と言われてますが、なんとなく気の毒な気がするんです。
台風も恐ろしいけど、子供のころの誤解も恐ろしいもんです。