今日は料理教室。
黒糖くるみパンを作る。
女性四人がテーブルについていた。
二十代と思える女性二人、中学生と思える女の子。
もう一人は、おとなのような子供のような、なんちゅうか、う〜ん、年齢不詳というか正体不明というかつかみどころのないルックスであった。
その女性が私を見るなり、「わ〜!今日はおじさんといっしょか!おもしろいなあ!」と言った。
かっくんとなりながらじ〜っとその女性の顔を見たが、やはりおとなか子供かわからなかった。
先生に対しても、かっくんとなるようなことを友達にしゃべるみたいな感じで話しかけていた。
ちょっと困った人なのかもしれない。
作業が始まると、その女性は少しずつ遅れだした。
先生はその女性中心に指導した。
パン作りは、粉をこねて、一次発酵、二次発酵、焼き上げという順になる。
発酵はいつも40℃、焼き上げ温度はそのつどちがって今日は180℃。
黒糖くるみパンは、黒糖をまぜた強力粉をこねて、黒糖をはさみ、焼き上げてからまた黒糖をかけるというかなり甘そうなパンだ。
私たち四人のパンは先に焼きあがって、さめるのをぼ〜っと待っていた。
と、遅れていた女性がレンジを開ける姿が目に入った。
少し遅れて焼きあがったのだろう。
開けてしばし中を眺めていた彼女が、パンが乗った鉄板を素手でつかもうとしたので飛び上がりそうになった。
「ダメ!」
私は思わず大声を出した。
その時遅く、彼女は手で鉄板をつかんで取り出した。
私を見てきょとんとしている。
ああ、焼きあがったんじゃなくて、発酵が終わったのか。
ちょっとずつ遅れて完全に一作業遅れていたのだ。
あ〜びっくりした。