「プロフェッショナル」というのは、「お仕事に打ち込む人」ですね。
「給料分だけ」とか「時間だけ」とかいうのじゃなくて、自分が納得いくまで打ち込む人。
テレビでそういう人を紹介してるのを見ると、私なんかには到底真似のできないとんでもなくマレな人のように思う。
でも、そうでもないのかもしれない。
私は、「お仕事」が好きな方ではなかったと思います。
しかし、「仕事が好きなんですねえ!」と感心されたことがある。
ふつうにまじめにやってただけである。
ふつうにまじめにやるのは結構マレなのかもしれないと思いました。
よくわかりません。
今日は、変則的中学同窓会でした。
私と家が近所で、中学高校がいっしょで母同士も仲が良かったAくんと、Aくんと中学同級で、私とは接触がなかったBさんとの変則同窓会。
二人の三年生の担任が英語のC先生だと聞いて、いろいろ思い出しました。
中学のことなんかほとんど忘れてます。
忘れてましたが、思い出しました。
C先生は、好感度ナンバーワンの先生であった。
若くてハンサムで明朗快活。
誰だって好きになる。
と思います。
今年81歳とのことで、我々の入学当時は、26歳。
中学生の私は、「面白くて楽しい先生だなあ」と思っただけであった。
今や知恵のついてしまった私が振り返ってみると、先生は「プロフェッショナル」だったのではないかと思いました。
生徒の心をつかんで、授業に引っ張り込んで乗せるために、いろいろ努力をされていたのではないかと思ったんです。
先生は、授業の始めにときどき「お話」をしました。
内容は完全に忘れましたが、面白い話でした。
私は、「先生は、よくこんな面白い話をたくさん知ってるな」と感心しました。
ある日、私は家にあった「オール読物」という小説雑誌を開いた。
何気なく読み出した小説が、この前C先生が授業で話したのとまったく同じ話だった。
ははあ、先生は、ここで仕入れてるのかと思いました。
落語で言う「まくら」、お笑いの「つかみ」というやつですね。
授業に入ると、たとえば「肯定文」を「疑問文」に変えさせるのに、「変えなさい」とは言わない。
明朗快活な声で、「疑問文!ビ〜〜ン!」と言う。
「ビ〜〜ン!」のところは、腕を前に伸ばして、ドアの取っ手をきゅっと回すような格好をする。
「変換!」という感じがしました。
リズムが良かった。
ただ若さでノリノリでやってたんじゃなくて、いろいろ工夫されてたんだろうなと、思ったら、Bさんは、先生から、「いろいろ工夫してたんだ」という話を聞いたことがあるそうです。
先生は、若くてハンサムで明朗快活だったというだけじゃなく、「プロフェッショナル」だったんだと納得しました。