若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

越冬アゲハ

特報!

きのうの午後、アゲハの越冬サナギが羽化、飛び立ちました!

去年、庭のキンカンのアゲハの幼虫を、プラスチックケースに入れて育てました。

次々にサナギになってみごとな蝶になるので喜んで幼虫をどんどん補充してました。

十月になって、サナギが蝶にならなくなった。
7匹のサナギがサナギのままかたまっちゃた。

ネットで調べると、秋にサナギになると、そのまま冬を越して、春になって新緑の出る頃を見計らって蝶になるというんです。

越冬サナギ。
すばらしー!
生命の神秘である。

サナギに「冬を越した!」と実感させるために冷蔵庫で保管しなさいという意見もありましたが、ウチでは物置に保管しました。

そして、3月末くらいに物置から取り出して、窓際の日に当たる場所に置いてたんです。

毎日見てたんですが、一向に蝶になる気配がない。
死んでしまったのかなと思ってました。

きのうの午後3時ごろ、スケッチブックに鉛筆で描いてたら、なんか部屋の様子がおかしい。
なんとなく、どことなくおかしい。

はっとして窓際のプラスチックケースを見たら、なんと、アゲハが二羽、バタバタと羽ばたいてるじゃございませんか!

うわ〜!
えらいこっちゃ!

一瞬アタマ大混乱!

蝶になったのに気付かず長時間ほったらかしにしてたのじゃないか。
大失態である。

スケッチブックも鉛筆も放り投げて、プラスチックケースを庭に運んでふたを開けてやりました。

さっきまでバタバタしてたのに、じ〜っとしてます。
疲れ果てたのであろうか。

救急車を呼ぼうかと思ったけど、見守ることにしました。

見守ること20分、一羽がケースをよじ登ってきました。
しばらくじっとしてましたが、パッと飛び立ちました。

空中で羽ばたきながら、私をじっと見て、こう言ったんです。

「鹿之助様、長々お世話になりました。庭のキンカンからプラスチックケースに入れて頂き、毎日新鮮な葉っぱを食べさせて頂いたうえ、霧吹きで水をかけ、糞の始末までして頂くなど、一方ならぬお世話になりました。また、わたくしがプラスチックケースの壁を登れず苦労しておりましたときには、ボール紙を入れて頂きサナギになるのをサポートしていただきました。こうして蝶になりますまでのお心づくしの数々が走馬灯のようによみがえってまいります。このご恩、一生忘れることはできません。お名残惜しくはございますが、お別れの時が参りました。奥様のお留守に旅立つのは本意ではございませんが、なにぶんわたくしも短い一生、失礼の段平にお許しくださいませ。さらばでございます!」

こういうと、アゲハはさっと身をひるがえし、高く上がったかと思うと隣の庭に移り、羽ばたきながら名残惜しそうにしばらくこちらを見ていましたが、今は!と心を決めたのか、ひらひらと隣の屋根を超えて飛んで行ってしまいました。

さて、もう一匹残ったアゲハを見ると、ごそごそ動いていたかと思うと、何のあいさつもなくあっという間に飛んで行ってしまった。

なんというやつじゃ。
一匹目とえらいちがです。
こういうのは出世しませんよ。