メガネをかけてます。
高校生のときからです。
初めてかけた時のことをおぼえてません。
学校の視力検査で言われたんでしょうね。
どこで作ったかもおぼえてない。
高校の間に度が進んで作り替えた時のことはおぼえてます。
美術部でいっしょだったA君が、安いところを教えてやるというので連れて行ってもらったんです。
大阪市生野区の田島町だったか林寺町だったか、レンズ加工業者の多い町でした。
連れて行かれたのはメガネ屋さんじゃなくてふつうの家で、おばちゃんが出てきた。
柱にかかけてあった視力検査表を使って、おばちゃんが検査してくれた。
そして、おっちゃんがレンズを入れてくれた。
値段ははっきりおぼえてます。
900円。
安い!と思いました。
母は、私によく「お父さんの悪いとこばっかり似てる」と言いました。
酒を飲む、冗談が多い、近眼。
母は、「目のいいのだけが自慢」とよく言ってました。
で、息子がメガネをかけるのが情けなかったのかもしれん。
母の目がいいのを感じたことはありません。
年を取って白内障の手術をしたとき、「目がいいだけが自慢だったのに」と非常に落ち込んでました。
知らんがな、と思いました。
勝手に自慢して勝手に落ち込んで。
40年ほど前の白内障の手術は大変でした。
片方で1ヶ月入院しました。
1週間は絶対安静で、頭の両側に枕を置いて動かないように固定してました。
2週間目くらいから、母が短歌を作り出した。
行くと、批評を求められた。
下手な短歌を見せられるのが苦痛であった。
お母ちゃん、やめて、と言いたかった。
今頃こんなことを書く親不孝をお許しください。