若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

画風

仕上がったグイド・レーニの絵をもって額縁屋に行きました。

この日記の常連の額縁屋です。
不愛想で商売気皆無という感じの額縁屋です。

二十数年来の客である私が行っても、店の奥からちらっと見るだけで知らん顔です。

それが、いざ額縁を選ぶとなると大変です。
この店で、自分が気に入った額を簡単に買えると思ったら大間違い。

「この額にします」「はいどうぞ」とはならない。
「いやその額はちょっと・・・」
「じゃあこれ」
「いやそれも・・・」

店主と押し問答というか禅問答というか、エンエンとやりあわなければならない。
一筋縄ではいきません。
店主には、独特のヘンなイデオロギーというかヘンなポリシーというか、なんか知らんけどヘンなものがあるんです。

しかし、「お客様の絵にあういい額を選んであげたい!できるだけ安い額を紹介したい!」という熱意だけは激しく感じられるので、こっちも安直に「これにする」とは言えない雰囲気なんです。

額縁屋に行くときは、私も腹をくくってます。

で、今日も腹をくくっていきました。

「これ、模写なんやけど」と絵を見せました。
なぜわざわざ「模写」と断ったかというと、前にロヒール・ファンデルウエイデンの絵を模写したのを見せた時、「あれ?今回画風がちがいますね」と言われたからです。

で、今日は言われる前に「模写」だと断ったんです。
模写だと断ったのに、また「あれ?今回画風がちがいますね」と言われた。

ちがうも何も「模写」だと言ってるでしょ。
私の「画風」をおぼえてくれてるのはありがたいけど。

いつも通り、すんなり決まりませんでした。
すんなり決まらないどころか、何たることか、絵を預からせてくれと言って預かり証を渡された。

私は、店にある見本の中から適当なのを選んで、これでいいと言ったんですが、店主は別のサンプルを取り寄せてそれに合わせてみるというんです。

好きなようにしてちょうだいと言って帰ってきました。