今日は美術予備校。
白の絵具が少なくなったので、美術予備校の近くの画材屋に行きました。
美術予備校の近くには画材屋が二軒あります。
商店街の同じ並びに2、30メートル離れて営業してます。
ナゾですね。
そのうち予備校から遠いほうが私の行きつけの店です。
今日は行きつけじゃない方に行きました。
なぜかというと、私の行きつけの店は月曜、火曜が定休日なんです。
私は火曜日に美術予備校に行くので、その時は行きつけじゃない方に行く。
行きつけじゃない方の画材屋は、いろんな店が並んでる中で目立ちます。
昭和!という感じなんです。
いや、大正!と言ってもいいかもしれない。
ふつうの古い家という感じで、道路に面してアルミサッシのガラスの戸が閉めてある。
いつも閉まってる。
一目見て、今日はお休みというか、とっくに廃業したという感じです。
ひとことで言えば死んでます。
10年ほど前、行きつけの店が休みなので初めてこの店に入りました。
ガラス戸をガタピシ開けると、店の床には額縁に入った絵が大量に置いてあった。
昭和からの売れ残りというか大正からの売れ残りというか、まあそんな感じです。
声を掛けたら奥の方からよろよろと老人が出てきたんですが、その動作と表情を見て、「この人だいじょうぶかな?」と思う人は多いと思います。
ひとことで言えば死んでます。
その後、二、三度この店で買ってます。
今日、ガラス戸を開けようと思ったら、なんか紙が貼ってあった。
A4くらいの紙に何か書いてある。
何かと思って顔を近づけたら、鉛筆で、「閉店セール開催中」と書いてあった。
おお!というか、ついに!というか、遅きに失したというか、まあしみじみしました。
下手な鉛筆の字で「閉店セール開催中」。
薄くて読みづらい字です。
その下にも小さく何か書いてあるので、もう一段顔を近づけたら、「(約一年間)」と書いてあった。
「閉店セール開催中。(約一年間)」
「長年のご愛顧」とか「20%引き」とか「いつからいつまで」とか余計なことは書いてなかった。
店に入ると、おやじが杖を突いて現われた。
限界であるとお見受けしました。
一年間で在庫がすべて売れることはないであろう。
というか、売り物になるのはどれくらいあるのか。
心配無用、大地主です!ということもあり得ますが。