台風の大雨で大変な被害が出ました。
川の恐ろしさを長年知らなかった。
私は子供のころから四十年ほど東大阪市に住んでて家のすぐ近くを長瀬川という川が流れてた。
川幅数メートル。
落ちたらいやだけど怖いという感じじゃなかった。
毎日のように見てたけど、なんか水が流れてるな、勝手に流れておれ、私には関係ないという感じでした。
奈良に引っ越してからも幅数メートルという川しか見たことない。
何年か前、関東で川があふれて大きな被害が出ました。
その時初めて川の恐ろしさを知って、お勉強しようと思ってこの本を買いました。
人間にとって、川は大変役に立つけど大変恐ろしいものだった。
人間の力ではどうすることもできなかった。
明治以後、少しずつなんとかできるようになった。
100年に一度の雨、200年に一度の雨を想定して対策を立てるようになったけど、ぶっちゃけた話雨の量を測りだしたのはこの100年ほどである。
1000年に一度の雨ならどうしますかという話になる。
技術的に打つ手はあるそうです。
川幅をものすごく広げて堤防をものすごく高くする。
川を中心に考えると打つ手はあるけど人間を中心にすると打つ手は限られる。
人間中心といっても、どこの人間を中心に考えるかで話が違ってくる。
古来、上流と下流、左岸と右岸は利害相反し流血の争いが当たり前だった。
左岸の堤防が決壊すると右岸では万歳を叫び酒を飲んでどんちゃん騒ぎをした。
どうかすると決死隊を結成して対岸の堤防を崩しに行った。
こわいですね。
昭和40年代には、「分家災害」という概念が提唱されてます。
大きな災害が起きると被害を受けるのは分家だというんです。
本家というのは古い。
江戸時代以前ですね。
昔々から安全だとされている場所に立ってる。
分家はそういうぜいたくはできない。
そういう考えからすれば、我々みんな分家みたいなもんですよ。
自然と一対一で向き合うことがないから山のことも川のことも何も考えてない。
国土交通省様よろしくお願いしますという感じですね。
そんなことではいけない!というようなことも書いてあります。