人を殺すのは、映画のなかでは実に簡単で手軽なことです。
それはわかってるんですが、トシのせいか映画と思っても人殺しがイヤになってきてます。
録画してあった西部劇『リオ・ブラボー』を見ました。
西部劇は見ないと誓ったのに見ました、というか5分ほど見ました。
西部劇とはなにか。
よくわからんけど、「風景映画」であることはたしかです。
アメリカ西部の風景を楽しめる。
それだけならいいんですが、それでは「劇」がないから「西部劇」じゃない。
「西部風景」に「劇」をくっつければいいんだけど、「劇」じゃなくて「人殺し」をくっつけるので困ります。
ただの「人殺し」じゃないです。
「簡単撃ち殺し」です。
『リオ・ブラボー』は簡単すぎます。
もちろん西部劇ですからそのうち誰かが誰かを撃ち殺すとは思ってましたが、前触れもお断りもなく、始まるとすぐ、白昼堂々衆人環視、理由もクソもなく実にあっさりとあっけなく陽気に撃ち殺した。
撃ち殺した男の落ち着き方は、わたくし、食後には胃薬を飲む代わりに撃ち殺してるんですと言わんばかりであった。
そこでやめようかと思ったんですが、ジョン・ウエインが登場しました。
お、ジョン・ウエインならなんとかしてくれるのじゃないかと思って見てたら、一発で殴り倒されちゃった。
ジョン・ウエインが一発で殴り倒されるようでは神も仏もない、世も末だと思ってそこでやめました。
『ゴッドファーザー』を見た後で『リオ・ブラボー』を見たんですが、『リオ・ブラボー』の簡単人殺しのほうが好感持てますね。
ほとんど「さわやかな人殺し」と言ってもいい。
『ゴッドファーザー』も殺しまくりですが、えげつないです。
こういうのをカネ払って見るというのはアタマおかしんじゃないかと思いますが。