イギリス馬場馬術のオリンピック金メダリスト、カール・ヘスターが書いた本を読んでます。
1967年生まれのカール・へスターは1992年のバルセロナオリンピックにイギリスオリンピック馬場馬術史上最年少で出場、2012年のロンドンオリンピックの団体で金メダル、2016年リオデジャネイロ団体で銀メダル、その他の国際大会でたくさんメダルを取ってます。
いいとこのおぼっちゃまかと思ったらそんなことなかった。
ぜんぜんちがう。
「不良女子高生だった母は、17歳の時私を生んだ。おなかが大きくなって近所のうわさになる前に、そういう少女たちのための施設にやられてそこで出産した。私が養子に出されなかったのは祖母の決断であった」
金メダリストの手記にしては率直です。
「4歳の時にシングルマザーの母とともにイギリスの離島サーク島に引っ越した。
母はホテルの清掃係兼客室係として働いた。
ある朝母の部屋に行ったら見知らぬ男が母とベッドにいたので驚いた。母と結婚して義理の父になったジェス・へスターである。
弟と妹ができた。義父は弟と妹をかわいがったが私には口うるさかったのでつらかった」
率直です。
このサーク島というのは地図で見るとイギリスから遠くてフランスの目の前です。
何でこの島がイギリス領なのか不思議です。
小さな島で人口は600人ほど。
夏の間の観光で食べてる島だった。
島民が二年交代で警官を務める。警官の主な仕事は酔っ払いの保護。
小学校の運動場の目の前が刑務所だった。世界一小さい刑務所として有名で、部屋が二つ、緑のドアの上の方が格子になってて入れられた酔っ払いが見えた。
子供たちは中の酔っ払いをののしったり石を投げたりした。
ひどい話ですね。
自動車が禁止されてて交通手段は自転車か馬。小学校の友達で小型の馬に乗ってくる子が多かった。
カール少年は馬を持ってなかったが、友達の馬に乗せてもらって自然に馬と親しむようになった。
中学は隣の大きな島の寄宿学校に入った。
寄宿舎につきもののいじめはあったがそれはたいして気にならなかったが勉強がイヤだった。「寄宿舎は人格を作る」というが、それは本当だと思った。
中学を出ると、ホースセラピーの施設(身体的、精神的に障害のある子どもを預かって馬との触れ合いを通じて教育する施設)に就職して馬の世話をしながら競技会に出るようになった。
それから自然にオリンピックにつながると思ったらつながらない。
その施設をクビになるんです。
「まじめに仕事をしない」「生意気だ」
18歳で施設を追い出されて島に舞い戻る。
朝から観光客相手の馬車で稼ぎ、夜はホテルのバーで働いて稼いだ。
う~ん、どこでオリンピックにつながるんでしょうか。