3、40年ほど前、雑誌で新日本製鉄の工場を取り上げてた。
その工場で毎年10人だったか20人だったか死んでると書いてあってびっくりしました。
製鉄って危ない仕事なんだなあと思いました。
仕事で知り合った紙製品を運ぶ運送会社のトラックドライバーが会社をかわった。
しばらくしてまた戻ってきた。
給料がいいのでかわったんだけど、鉄を運ぶ仕事だったので危なくて怖いのでまた戻ってきたと言ってました。
たしかに紙を運ぶより鉄を運ぶ方が危なそうです。
イギリスの競馬騎手A・P・マッコイの本を読んでます。
障害レースの騎手なんですが、障害の騎手ほど危険な仕事はないだろうと言ってます。
落馬は日常茶飯事だそうです。
マッコイ自身は1万8千回近く騎乗して1000回ほど落馬してるそうです。
なるほど危ない。
落馬にもいろいろあります。
お尻を打っただけから骨折、騎手をやめなければならないほどの後遺症、最悪は死亡事故。
仲の良かった騎手が何人も死んでます。
障害の騎手が仲間意識が強いのは常に危険ととなり合わせで、事故があると次は自分だと思うからだと書いてます。
マッコイは何度も骨折事故は経験したけど乗りつづけられたのだから運が良かったんですね。
たいへんな骨折事故の落馬のことも書いてますが、おかしな話も書いてます。
未勝利馬のレースがあって経験の浅い馬ばかりが7頭出走した。
レースが始まってマッコイは自分の馬もほかの馬も飛ぶのが下手だと感じた。
案の定いくつめかの障害を飛び損なって落馬してしまった。
馬もマッコイも異常なかった。
残念、と思いつつ馬を係員に任せて馬場を離れてレースを見てたら残った6頭のうち3頭が落馬した。
お!これはひょっとすると!と思った。
3着まで賞金が出るんです。
マッコイはあわてて馬場に戻ってもう一度馬に乗って走り始めた。(現在は落馬してもう一度乗るのは認められてないそうです)
残ったほかの3頭も新米の馬だから落馬の可能性がある。
タイムに関係なく3着までに入ったら賞金がもらえる。
「もう1頭落ちてくれ!」というマッコイの祈りというか呪いというかが通じてしまって、なんともう1頭落馬!
やった~!賞金ゲット!と喜んで最後尾を走ってたら何たることか前を行く2頭が相次いで落馬。
ドンケツのマッコイ勝利!
この年マッコイは年間289勝という前人未到の大記録を打ちたてたんですが、この1勝もほかの1勝も変わりはない!とりきんでます。
もともと圧倒的に強いうえにこういう勝ちが転がり込むんだからほかの騎手から見たらどうしようもないですね。