海老原喜之助の『ポアソニエール』の模写です。
10年ほど前、油絵を再開したころに模写しました。
頭に乗せた魚が、海老原喜之助の筆さばきだと「新鮮ピチピチ!」なのに私が描くと「くさりかけ」になって悪戦苦闘でした。
題名は「魚売り」というような感じだそうです。
今ならもうちょっと頑張れそうに思いますが、これでも見て気持ちがよくなります。
マリア様に見えないこともない。
洲之内徹さんの本で知った作品です。
洲之内さんは、昭和18年中国で日本軍の「裏の仕事」をしてる時にこの絵の複製と出会って心を打たれた。
たしかに「軍の裏仕事」をしてる時に見たらドキッとすると思います。
「頭に魚を載せたこの美しい女が、周章てることはない、こんな偽りの時代はいつかは終わると囁いて、私を安心させてくれるのであった。」と洲之内さんは書いてますが、
心から共感できます。
この絵を含む『洲之内コレクション』を見に宮城県美術館に行ったのもはるか昔のことのような気がします。