オットー・イエスペルセンはその世界では有名な人である。
どの世界かと言うと英文法の世界である。
どれくらい有名かと言うと私でも名前は知ってる。
英文法の世界で有名だということは世間的には無名の人である。
街行く人100人に聞きました。
「オットー・イエスペルセンを知ってますか?」
大阪のおばちゃんなら「オットー・イエスペルセン?おっと~失礼!知りません!」くらいは言いそうである。
全員知らないと思う。
その一般的無名の人がなぜここに登場するのか。
英文法の人だからです。
英語の本を読んでていいのは目にやさしいことです。
英文は漢字交じり文にくらべて目にやさしい。
目にはやさしいけど残念ながら脳にはやさしくない。
目ではスラスラ読めるけど脳ではスラスラ読めない。
そこで文法書の出番です。
まあ、日本語でも英語でも読んですぐ忘れるんだからそう真剣にならなくてもいいとは思うんですが根がまじめなもんで。
文法書を読もう。
思い浮かぶのは受験生時代である。
あのころお世話になった江川泰一郎『英文法解釈』が今も出てる。
1953年初版の超ロングセラーである。
で、買いました。
なつかしかった。
なつかしかったけど受験生時代みたいにはアタマに残らない。
『英文法解釈』を読んで「なつかしかった」だけでは困る。
『英文法解釈』は「思い出のアルバム」じゃない。
超ロングセラーもいいけどやっぱり「最新式」がいいんじゃないか。
で、アマゾンで探して買いました。
この表紙を見たあきらくんが「おじいちゃん、なに読んでるん?」と心配そうに聞きました。
家内も心配になったみたいで「これ読んでみたら?」と持ってきたのがイエスペルセンの『Essentials of English Grammer』です。
大学時代の教科書でびっしり書き込みがしてある。
よく勉強したんですね。
今ごろPRしてどうする?
で、名前だけ知ってたオットー・イエスペルセンをネットで調べました。
幕末に生まれたデンマーク人でした。
幕末生まれのデンマーク人が書いた英文法の本がいまだに読まれてるのはすごいと思いました。
英語版ウイキペディアでくわしく知りたいと思って「otto jespersen」と入力しました。
出ました。
「ノルウエーのコメディアン」
オ、オ、オ、オットー・イエスペルセンは、ノ、ノ、ノ、ノルウエーのコッ、コッ、コッ、コッ、コケッココーじゃなかったコメディアン!?
ノルウエー人100人に聞いてみたい!
「オットー・イエスペルセンを知ってますか?」
たぶん99人が「コメディアン!」、ひとりくらいが「著名な言語学者」ではなかろうか。