前にカール・ヘスターの『金メダルへの道』を読みました。
こんどは彼のお弟子さんの『金メダルへの道』です。
題が同じなのはおかしいと思われるかもしれませんが中身は似たようなもんだから許してください。
カール・ヘスターはロンドンオリンピック団体馬術の金メダリストです。
シャーロット・ドゥジャダンは師匠よりすごい。
ロンドンオリンピック馬術個人で金、団体で金、リオデジャネイロオリンピックで個人で金、団体で銀、その他ヨーロッパ選手権、世界選手権で金メダルを取りまくってます。
女だてらに、と言いたいとこですが馬場馬術(障害を飛ぶのじゃない方)の世界では女性が強いんですね。
馬術は男女混合というのも最近知ったんですが、オリンピックのメダリストを見ると女性が圧倒的に多いのでびっくりします。
知らない世界をのぞきたくて本を読むことが多いです。
知りたがり屋の子ザルのジョージみたいなもんですが子ザルほどかわいくはない。
何年か前、イギリスのベストセラー小説で、主人公が町を歩いてたら馬に乗った少女と出くわす場面があってびっくりした。
現代の話ですが主人公はびっくりしなかった。
イギリスでは町で馬に乗った人に会うのはあたり前なのかと思いました。
シャーロットの祖先はフランスの木綿産業で活躍した一族のようです。
シャーロットの父親は中小企業の経営者でお母さんは馬術競技会に出るような人だった。
子供ができて競技はあきらめたけど娘たちに夢を託した。
1985年生まれのシャーロットが初めて馬に乗ったのは生後何か月かという時です。
お姉さんといっしょにヨチヨチ歩きの時からポニーに乗ってた。
イギリスでは子供のためのポニー馬術大会が盛んみたいで、2歳から競技生活が始まるというんですが、う~ん・・・想像できません。
何百万円もするいい馬を買ってもらって姉妹で活躍してた。
この間お母さんがべったりくっついて世話を焼く。
子供馬術大会では、泣いてる子供としかりつけてるお母さんというのがよくある光景だそうです。
シャーロットによれば「馬術母娘」で難しいのは娘が「独り立ち」を模索するころです。
「この時期、母親はろくでもないタイミングでろくでもないことを言う」とシャーロットは言うんですがお母さんの言い分も聞かないと何とも言えません。
「独り立ち」に関しては二人とも苦労したみたい。
ポニーに乗るのは競技会だけではありません。
ポニーに乗ってパブに行ってコーラを飲んだりしてる。
こういう子供がいるイギリス、よくわからん。
年齢が上がるにつれ競技会のレベルも上がって、そこで活躍するとポニーの調教を頼まれるようになる。
おもにお母さんがやるんですがシャーロットも手伝う。
才能があったようで、乗っているとどうしたら馬がどうなるかわかる。
お母さんから「お前はお尻でものを考えるんだね」と言われたそうです。
8歳の時父親の会社が倒産して苦労が始まる。
8歳にしてすでに子供馬術の世界では中堅ですよ。
母親も姉妹も馬術競技が楽しみであり誇りでありやめることは考えられなかった。
陸上競技みたいに体と靴だけというわけにはいかない。
お母さんが馬を車に積んでイギリス中を走り回るんです。
姉妹でその世界では有名になる。
13歳の時「子供馬術」から「本格的馬術」への転向を進められて馬術の奥深さにひかれていく。
一流の指導者につけるような環境じゃないので馬術DVDを買って勉強しようとした。
そのDVDがカール・ヘスターとの最初の出会いで、そこから金メダルへの道が始まる。
先はまだ長い。