アメリカの第18代大統領ユリシーズ・グラント(1822~1885)の『回想録』を読み始めました。
『アイゼンハワーの戦争と平和』を読んでたら、グラントの『回想録』を「今なお読み継がれているアメリカ文学史上の傑作」と紹介してあったんです。
エドマンド・ウイルソンやガートルード・スタインも絶賛しているというので読む気になったと言いたいとこですが残念ながら二人とも知らん。
「簡潔な英語で書かれていて、堂々たる名文である」というところにひかれたんです。
簡潔な英語大好きというか簡潔な英語ってあるんか。
読み始めたとこですが簡潔であると思います。
堂々たる名文かどうかはよう言わん。
グラントは南北戦争の時、北軍を勝利に導いた将軍として有名で、のちに大統領になったけど大統領としては史上最悪の一人と言われてるとウイキペディアには書いてあった。
序文でなぜ『回想録』を書く気になったか語ってます。
文章を書く気はまったくなかったけど、関係してた会社が倒産して金に困って書く気になった。
正直です。
出版直後に死んだんですが、ベストセラーになったので奥さんに莫大なカネが入ったそうでよかったよかった。
西部で生まれ育ってます。
当時の西部では子供がいろんな仕事をした。
グラントは馬の売り買いもしてます。
8歳くらいの時、近所にいい馬がいたので買いたいと思った。
持ち主が25ドルというので父親に金を出してほしいと言ったら、父は「あの馬は20ドルがいいとこだ」と言った。
どうしてもほしいと言ったら「かけひき」を教えてくれた。
「まず20ドルしか出せないと言うんだ。相手がうんと言わなかったら22ドル50セントまでなら出せると言え。それでもダメと言ったら25ドル出すと言うんだぞ」
よっしゃ!
グラント少年は男のところに行ってこう言ったんです。
「おじさん、ボクは20ドルしか出せないよ。でもおじさんが20ドルではダメだと言うのなら22ドル50セントまでは出していいよ。それでもダメだと言うんなら25ドル出すよ」
グラントによれば、この話はあっというまに町中に広まって、その後もいつまでもいつまでも、え~かげんにせ~よと言いたくなるほど語り伝えられたそうです。
グラント少年は、「子供ってほかの子供の失敗が大好きだな」と思ったんですが、大人になってから大人もいっしょだと気づいたそうです。