はなちゃんからメール。
ママが『走れメロス』を朗読してくれたそうです。
はなちゃんの感想。
「つっこみどころ満載です」。
おじいさんを突然両腕でゆさぶったり犬を蹴飛ばしたりもどうかと思うけど、「最後真っ裸というのはちょっと許しがたいです」。
そして、題名を『謝れ!メロス』にした方がいいと思うと書いてます。
たしかに、最後真っ裸は小6女子としては許しがたいでしょうな。
こういう文学への関心の芽生えはだいじにしたい。
『青い神殿』はちゃかしても『走れメロス』はちゃかせない。
返事を書きました。
おじいちゃんは『走れメロス』よりも続編の『歩けメロス』の方が好きです。
懸命に走り続けるメロスに向かって「歩けメロス!」と声をかけた男の物語です。
男の名はアルケメデス。
有名な数学者アルキメデスの甥です。
アルケメデスが「歩けメロス!」と声をかけたという話はその年の「だじゃれオリンピック」で金メダルを取りました。
私のこの文学論に対してはなちゃんから返事が来た。
「走ることも歩くことも嫌いでこたつにすわっていた男がいました。その男の名はスワリメデスです」
これはだめだ。
はなちゃんが私にあこがれてだじゃれの道に進みたがる気持ちはわかる。
しかしだじゃれを甘く見てはいけない。
なにごとも始めが肝心だ。
はなちゃんにメールを入れました。
だじゃれというのは単なる口から出まかせではなく史実に基づいていなければなりません。
この場合、ギリシアにこたつがあったのかということが問題になります。
シュリーマン以来ギリシア遺跡の発掘は数多くなされてきましたが今日までこたつが発掘されたという報告はありません。
ゆえにこたつにすわるスワリメデスというのはありえないのです。
エジプトにカイロはあるがギリシアにこたつはないのです。
返事はまだありません。