若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

おいしーおいしーおいしー

テレビをつけるとどのチャンネルでも「おいしーおいしーおいしー」と言ってるような気がします。

高級レストランや老舗料亭でかしこまってありがたそうに「おいしーおいしー」。

居酒屋やラーメン屋でぶは~っとおぎょうぎわるく「おいしーおいしー」。

北海道でおいしー九州でおいしー。

農村でおいしー漁村でおいしー山村でおいしー。

社員食堂おいしー弁当おいしー。

全国的にまんべんなくかげひなたなくえこひいきなくウシもブタもトリもなどと細かいこと言わず哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、裸子植物被子植物ぜ~んぶおいしー。

 

どのチャンネルもいっしょ。

よそと同じことしてたらダメと言うけど。

オリジナリティとか個性とかオンリーワンとか言うけど。

 

「函館まずいもの大会」というような番組があってもいいのでは。

「大阪にもまずいもんがおますねん」でもいい。

「博多のまずかもん集合!」でもいい。

 「舞妓さんおすすめ。これが京都のまずいもんどす」でもいい。

 

探せばあると思うんです。

私はひとつ知ってるんですが、ちょっと古い。

学生時代の下宿の近くの中華料理屋。

おばさんが一人でやってる小さな店で毎晩のように通いました。

「学生さん、中華ばっかりじゃあきるでしょ」と言ってわざわざ魚を焼いてくれて食べたくもない焼き魚を食べさせられたこともある。

やさしいおばさんであった。

 

初めて焼きそばを食べた時驚いた。

まずい!

焼きそばですよ。

まずい焼きそばなんかあるのか。

あるんですな。

不思議であった。

 

高校美術部の後輩T君が遊びに来たことがある。

その店に入って私はチャーハンを注文して、T君が「なににしようかな」と言うので私は迷うこともためらうこともなく即座に「焼きそば!」と言いました。

先輩おすすめの焼きそばをT君は黙って食べた。

 

店を出るとすぐにT君が「まずい焼きそばやなあ!」と言ったので我が意を得たりという思いであった。

 

そういうのを探してほしい。