バスの窓から「精肉」という看板が見えて、ぼ~っと「精肉か」と思ったんですが突如「精肉とは何か?」と考えてしまった。
まあ、「肉」はわかる。
「精」が問題。
「精肉」の「精」とは、「肉食べたら精つきまっせの『精』だろう」と思う人が多いと思うけど私はそうは思わない。
こういう場合、漢和辞典です。
「青」という字の上の部分は、生えたばかりの芽、下の部分は井戸にたまった清らかな水で、上下合わせて「きよらかさわやかあざやか」というような意味になるらしい。
それが「米」とくっついて「精」になると、「玄米をついてできた清らかで美しい白米」という意味になる。
そこから「精」は「手間ひまかけて念入りに仕上げた」という意味になる。
ここまでくると「精肉」の意味がなんとなく分かる。
なんとなくではだめだ。
ネットにいろいろ書いてある。
「精肉とは、精肉店に並んでいる肉のことである」というきわめてわかりやすい「説明」もある。
いろいろあるけど東京都福祉保健局の説明がわかりやすい。
「福祉保健局」がなぜ「精肉」の説明をするのか。
知りません。
「生産者」から「肉屋さん」までの流れが書いてある。
肉が店頭に並ぶまでいろんな役所と法律が関係してます。
「家畜保健衛生所。食肉衛生検査所。保健所。」
と畜場から卸売市場に行くのが「枝肉」という大きな肉です。
その「枝肉」が食品加工業者によって「部分肉」になる。
スーパーの肉売り場などで「部分肉」が「精肉」になって店頭に並べられる。
つまり「精肉」というのは「手間ひまかけて料理に使えるように整えた肉」ということだということが分かったのであった。
これを調べてる時、朝日新聞に何十年か前にブラジルで暮らした人の話が出てた。
当時、ブラジルの肉屋さんには大きな枝肉がぶら下がってて、客はどの部分が欲しいか言って切り取ってもらったと書いてあった。
「精肉」は「手間ひまかけた肉」だけど、「手間ひまかけた肉」を手軽に手に入れるのには「手間ひまかけた」制度、法律が必要だった。
人間はいろんなことに精を出す動物であるということがわかった。