デビッド・クリスタル『100語で語る英語の歴史』を読んでます。
100語!?
1ページで英語の歴史を語るのか、と思うのは素人の浅はかさ。
時代を代表する単語を100選んで英語の歴史を語ろうと言うんです。
13世紀代表の一つが「ポーク」。
豚肉です。
イギリスは遅れてた。
いろんな先進的なものが流れ込んできた。
フランス料理が流れ込んできてイギリス人はありがたがった。
それまでイギリス人は「豚」を食べたり「牛」を食べたり「羊」を食べたりしてた。
それが、フランスでは「ポーク」とか「ビーフ」とか言うんだということでそっちを使いだした。
「きのうは豚を食べました」と言うより「きのうはポークを食べました」と言う方が上品でおしゃれな感じがする。
「ポーク」というのは上品でおしゃれな言葉だった。
ところがあっという間に「ののしり言葉」になってしまった。
気の毒である。
イギリスは遅れてた。
英語も遅れてると思う人が多かった。
どうする?
ラテン語やギリシア語や各種外来語を混ぜて使うと高級に見える。
堂々として賢そうに見える。
いつの時代もどこの国でもそういう人がいるんですね。
もちろん「ラテン語ギリシア語外来語を使うな!」と言う人もいた。
この戦いは続いてるようです。
ラテン語をそのまま使うのはまだいいけど、イギリス人が英語をむりやりかっこよくラテン語ふうに変えた単語がある。
そういうややこしいことをするのでつづりと発音が一致しなくてイギリス人始め英語学習者にとって大変迷惑なことになってるらしい。
著者は、外来語を使うなと言ってもムリと言う説です。
すっかりなじんでしまってる言葉も多い。
たとえば「KARAOKE」。
「KARAOKE」はず~っと昔からイギリスにあったと思ってる人が多い。
日本語とは思ってない。
たとえば「SUDOKU」。
「数独」と言うパズルは21世紀になって入って来たけど完全になじんでしまってる。
コックさんは「だし」とか「たまり」とか言うし、相撲ファンなら「横綱」「土俵」「送り出し」とか知ってる。
う~ん、「送り出し」を知ってるイギリス人はあまりいないと思いますが。