デビッド・クリスタル教授の英語関係の本を読んでます。
英語の本を読んでると、「もっとわかりやすく書けんのか!?」と思うことがよくあります。
「こんなわかりにくい英語を書くなんてよっぽどアタマ悪いんだな」
こういう怒りというか悩みを抱いてるのは私だけじゃない。
イギリスでもアメリカでも1970年代に「やさしい英語で書きましょう」という運動が起こってます。
彼らの運動に共鳴します。
まあおもに「公文書」とか企業のお客様向け文書が対象のようですが。
イギリスでは「やさしい英語促進協会」、アメリカでは「全米英語教師協会」ががんばってます。
どちらも毎年「やさしい英語」の文章に賞を送り、ややこしい英語をつるし上げてます。
2005年の「イギリスで最低英語賞」はブリティッシュ・テレコムという日本のNTTみたいな会社が受賞。
その文章が紹介されてますが、残念ながら私にはふつうにむずかしい英語なのか最低の英語なのかわかりません。
わかるところもある。
「金属製通信設備の設置」というのは「電線をひく」と言うべきだというのはわかる。
2003年の「アメリカ最低英語賞」はブッシュ大統領のイラク戦争開戦演説だそうです。
「やさしい英語促進協会」は「弊社」とか「当協会は」とか書かずに「私たちは」と書くようすすめてます。
「被保険者は」と書かずに「あなたは」と書くようすすめてる。
「やさしい英語」を進める運動と別に「不適切用語」を使わないようにと言う運動もある。
クリスタルさんによればそれが行き過ぎて「言語警察」と呼ばれるような人たちも出てくる。
2005年にイギリスで「学校で『失敗』という言葉を使わないようにしよう」と叫ぶ人が出てきた。
たとえば、小学校で飛び箱を飛べなかったとき、先生は「失敗だ」といわず「未成功だ」と言いましょうと言うんです。
これはさすがに受け入れられなかったけどクリスタルさんは、相手に不快感を与えないような言葉を選ぶこと、できるだけわかりやすい言葉を選ぶことは大事だと言ってます。
イギリスの「やさしい英語促進協会」は、その年の模範英文に「クリスタル賞」を贈ってるそうですが、クリスタルさんは「たぶん私と関係ないと思う」と言ってます。
わかりにくいです。