我が「エレキギター武者修行」時代がなつかしくて読んだ本です。
フェンダーとギブソンはエレキギターで有名なアメリカの会社です。
手にとってまず思ったのは「扱いにくい!」ということです。
ペーパーバックでふつうの単行本の大きさで500ページもある。
開きにくいし開いておくのにはガンガン押し付けなければならない。
今のエレキギターというものを最初に作ったのだ誰かというのが話題の一つなんですが、とてもややこしくて、「だれでもええやん」という気になります。
著者の意見は「いろんな人がアイデアを出し合ってできたのに、いろんな人がオレが作ったと言い張ってる」というものです。
音や形の話をするのに言葉だけではむずかしいと思いました。
「か細い光線状の」音とは?
「宇宙船かアメーバ、それか人間の胴体を思わせる」形とは?
音も画像もあふれてる中で言葉だけというのは遅れてます。
本と動画を合体させて説明してほしい。
なつかしい名前がたくさん出てきます。
ギタリストのレスポールさんは「エレキギターを作ったのはオレだ」と言い張った一人で、ギブソン社は「レスポール」というタイプのギターを出してます。
この本でレスポールさんが奥さんのメアリー・フォードと組んで1950年代前半のアメリカで大変な人気だったことを知りました。
高校の時聞いてたラジオの音楽番組でこのコンビのことは知ってました。
「おしどり夫婦」という言葉をおぼえたのはその時です。
ふつうのミュージシャンと思ってたんですが無茶苦茶な人気で無茶苦茶に忙しかったみたい。
レスポールさんは無茶苦茶な人気と忙しさと収入を楽しんだけど、奥さんにとっては大変な重圧だったみたいで酒におぼれるようになって離婚という気の毒なことになってます。
どんなだったのかとユーチューブで調べたらお二人の全盛期のテレビ番組出演映像がありました。
便利なもんです。
いかにも1950年代のアメリカという感じで、私が子供のころテレビのホームドラマを通じてあこがれた世界そのままでした。
ひとことで言えば豊かな世界。
それも億万長者の豊かさじゃなくて「質素な豊かさ」というのもヘンだけど「健全な豊かさ」かな。
にこやかに仲良く歌い演奏するお二人が親権やカネでもめてと言うんですからしみじみしました。