「玉の輿に乗る」の反対で、男が結婚によっていい目をすることを「逆玉」というんですね。
ウチにある国語辞典には「玉の輿」はあるけど「逆玉」はなかった。
ウチにある和英辞典には「玉の輿」も「逆玉」もありました。
和英辞典が新しいということでしょうか。
古今亭志ん生は「女氏無くして玉の輿に乗り、男氏無くして玉の汗をかく」と言ってます。
アメリカ合衆国第4代最高裁長官ジョン・マーシャルの伝記を読んでます。
まさか「逆玉」が出てくるとは思わなかった。
アメリカ合衆国建国の父たちは「逆玉くん」が多いそうです。
ワシントンがそうだし第2代大統領アダムスもそうだしジョン・マーシャルのお父さんもそう。
当時のアメリカはイギリスの植民地として100年以上たっていて、がんばって大農場主になった人たちがいた。
その人たちの娘は、大農場主の息子と結婚出来たらいいんだけどそういう男は少ない。
で、頭のいいやり手の若者を探して結婚させた。
逆玉です。
ワシントンもジョージ・マーシャルのお父さんもトマス・ジェファーソンのお父さんも測量技師だった。
当時の測量技師はおいしい商売だった。
大地主に雇ってもらえる。
地図がないんですからね。
大地主は自分の土地の地図を作らなければならない。
ワシントンとジョージ・マーシャルのお父さんはバージニアの大地主イギリス貴族フェアファックス卿にやとってもらってその広大な土地を測量してして地図を作った。
どれくらい広大だったかというと今のバージニア州の4分の1だそうです。
広大です。
フェアファックス卿は「広いなあ」と言って喜んでたわけじゃない。
地代を稼がなければならない。
測量士は借りてくれる人を探すのも仕事のうちだった。
測量しながら「ここは農業に向いてる」とかいろいろ頭に入れてうまく立ち回ってひともうけしたようです。
大地主がそういう若者に目をつけて娘と結婚させた。
逆玉くんの国アメリカ。
なんか印象ちがいますけど。