若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

自分史

高校美術部の後輩の女性から個展の「図録」が送られてきた。

作品写真だけじゃなくていろいろ書いてある。

自分の仕事のこととか「家」とか「嫁」とか。

「嫁に自己主張はいらない」と言われたというのには大変だったんだなあとびっくりしました。

「自分史」を書いたほうがおもしろいんじゃないかと思いました。

 

私の友人たちは「自分史」を書いてないようです。

大学美術部でいっしょだった女性から送られてきたのは「自分史」じゃなくて「介護史」。

山形出身の一人娘が東京で家庭を持って親の介護に通った話。

 

印象に残ってるのは、山形から東京に帰るのに駅までおとうさんが荷物を自転車に積んで運んでくれた。

列車の時間が気になるのにおとうさんの足が遅いので腹が立った。

 

せっかく苦労話を本にしたのにおぼえてるのがこれだけでは気の毒だと思いますが私の不徳の致すところか彼女の不徳の致すところか迷うところである。

 

身近では家内の父と伯父が「自分史」を本にしてます。

伯父は話はものすごく面白い人なのに文章はぜんぜん面白くないのが不思議であった。

 

家内の父が自分史らしきものを書き始めたと聞いてワープロで打ってあげましょうと申し出た。

原稿をもらって驚いた。

主語と述語が一致しないなどわけのわからん文章が多かった。

一流企業の管理職を務めた人がこういう文章を書くんだと感動した。

始めのうちはいちいち質問して訂正したけどあんまり多いのでそのうち勝手に訂正するようになった。

かなりの変更にも父が気づかないのがおかしかった。

そのうち調子に乗って私流におもしろおかしく書き直すようになった。

 

それを父が会社の社内報に投稿した。

読んだ人に「あれはあんたの文章じゃないな」と言われたと笑ってました。

 

私がワープロで打ったのをコピーしてホチキス止めの冊子にしたんですがそれでは物足らなかったようで、その後もいろいろ書きたして本にした。

私が編集すればもうちょっとなんとかなったと思いました。

 

たとえば、在職中になくなった同僚たちのことを書いた「惜別」という章がある。

病気で亡くなった人もあるし事故で亡くなった人もある。

 

「こうして書いていても、元気に仕事に励んでいた〇〇君の笑顔が思い出されて涙を禁じ得ない。

私の趣味の競馬であるが、馬券の購入は『競馬エイト』の予想を参考に・・・」

 

なんで突然「惜別」が「競馬」になるの?

 

いろんな人の「自分史」を読みましたが家内の父のが一番記憶に残ってます。