日韓両国で大ヒットした韓国国営テレビKBSの「冬のソナタ」の続編の放映が開始され、前作をしのぐ人気を呼んでいる。
「冬ソナ現象」という一種の社会現象とまでなり、主演のペ・ヨンジュンが日韓両国での人気を確立した「冬のソナタ」の続編は、放映前から大きな期待を集めていた。
「冬のソナタ」の続編ということで、タイトルはずばり「夏の土方」。
ソウル大学を優秀な成績で卒業した主人公パク・テグンは、思うところあってツルハシ一本を手に道路工事現場で働く。
色白でひ弱な主人公が、夏の工事現場でツルハシを振るって汗を流す姿に心を奪われるのが人妻キョム・ヘンチョルである。
人妻ゆえその愛を受け入れることができず、身を隠すため主人公はツルハシを担いで全国の工事現場を渡り歩く。
韓国各地の道路工事風景を織り込んだ二人のすれ違いが見所の一つだ。
韓国ドラマの定番は、「日本帝国主義による民族の悲劇」であるが、この作品も巧みにそれを取り入れ、単なるラブロマンスでなく、政治や国家に翻弄される個人の運命を描いた社会派ドラマに仕上がっている。
ここで重要な役目を果たすのが主人公の持つツルハシだ。
実は、主人公の祖父は日本で強制労働をさせられ、現在大阪の鶴橋で焼肉屋を経営していたのだ。
主人公はツルハシを担いで鶴橋を訪れ祖父を探す。
そこで知り合った日本の少女と北陸の海岸でデートしているとき、彼女は北朝鮮の工作員に拉致される。
彼女を救出するため、主人公はツルハシ一本で38度線を掘り進み、ピョンヤンで金総書記の美女軍団に入れられていた彼女と再会、北京の日本大使館に逃げ込んで二人は結ばれる。
日本での放映も意識した展開になっている。
主演は、人気のペ・ヨンジュンのいとこの、ペッペ・ヨンジュン。
本名は、スン・ヨンジュンだが、ドラマの中で主人公があたりかまわずつばをペッペと吐くので、ファンからペッペと呼ばれている。
韓国の男性の間では、「ペッペ現象」と言って、ツルハシを担いでつばを吐くのがブームになっている。
KBSでは、「街のペッペさん」というコンテスト番組も始まった。
これは、ステージの上手から下手へ歩きながらつばを吐く姿を女性審査員が採点するもので、どれだけ多く、セクシーにつばを吐くかがポイントとなる。
「夏の土方」は、日本では10月からNHKBS1で放映される。