田母神航空幕僚長の一件には、かっくんとなった。
私のような、保守的で権威主義的な人間からすると、信じられない話だ。
「論文といえるようなシロモノではなく、程度の低い読書感想文レベルだ」というような意見もあるようだが、中身以前のかっくんである。
とにかく、「アパグループが募集した懸賞論文に応募した」というのにかっくんときた。
「アパ」という時点で、私にとっては終わってる。
アパグループがどうこう言うのでなく、「アパ」という言葉の響きが終わってる。
私くらいの年になると、保守的で権威主義的になる。
良く言えば、人間として落ち着くということである。
「アパ」はだめだ。
落ち着かない。
「田母神俊雄」→「60歳」→「航空幕僚長」→「アパグループ」
これがどうもつながらない。
23歳のフリーターが応募したのならわかる。
田母神さんほどの年齢、地位の方なら、せめて三菱グループ主催の懸賞論文に応募してもらいたいと思うのである。
「住友グループ」「三井グループ」でも可。
名前は大事ですよ。
私と同じくらい保守的で権威主義的な金正日総書記も同じ反応だと思う。
「総書記様!大変です!日本の航空幕僚長が、三菱グループ主催の懸賞論文で最優秀賞を獲得しました!」
「なに!日本の政治、経済、軍事を牛耳ってきた、あの三菱グループの!?う〜む、日本の空の守りは堅いと見なければなるまい。皆の者!日本、侮るべからず!」
「ははー!」
「総書記様!大変です!日本の航空幕僚長が、アパグループ主催の懸賞論文で最優秀賞を!」
「ア、アパグループ?なんじゃそりゃ?」
「は、低料金ホテルチェーンで・・」
「あ〜!あのぶっさいくな、きちがいみたいなファッションのおばはん・・」
「そ、総書記様!お言葉が過ぎます」
「受賞祝いにテポドンでも撃ったれ!」
国を守るべき人が、国を危うくするようでは困る。
田母神さんは、アパグループの元谷代表と十年来の親交があるそうだ。
元谷代表は、やり手で金儲けがうまい人だと思う。
やり手で金儲けがうまい人は要注意。
これは常識だろう。
普通の人は近づかないほうがいい。
注意する人はなかったのか、田母神さんの部下に聞いてみた。
「注意なんて無理ですよ。航空幕僚長は航空自衛隊のトップ、これがホントの雲の上の人ですから」
「えーかげんにしなさい!」
「ほんとにねっ!」