このライブに私も出るというと、不思議に思う人が多いだろう。
桜よしのさんは、若い女性で、歌手でありモデルであり薬剤師でもある。
支離滅裂な三重生活という感じで、特に薬剤師としてだいじょうぶかと心配する人もあるだろうが、だいじょうぶです。
頭のいい、しっかりした人である。
と思います。
彼女とは、「鹿せんべい飛ばし大会」で知り合った。
この大会は、若草山観光振興会が企画したイベントで、若草山に客を呼ぼういうのが目的である。
始まってから何年かは、知名度が上がるにつれて来場者も順調に増えた。
ところが、そのうち動員数が伸び悩み、横ばいになった。
観光振興会でいろいろ対策を考えた。
こういうイベントを盛り上げるには、まず若い女性を集めることだ。
若い女性の心をつかむ手っ取り早い方法は、ルックスが良くて歌って踊れるジャニーズ系の若い男性タレントを起用するのがいい。
ということで、私に白羽の矢が立った。
で、数年前から、「鹿せんべい飛ばし大会」当日、若い女性の心をつかもうと、一生懸命歌って踊っているのであるが、まあ、ぶっちゃけた話、つかみそこなってます。
それまで横ばいだった観客動員数が、私が起用されてから、ジリ貧になったのだ。
あせった若草山観光振興会が声をかけたのが、桜よしのさんである。
私の、「若草鹿之助」も奈良的芸名だが、「桜よしの」も、いかにも「奈良」だ。
「鹿せんべい飛ばし大会」当日、看板にでかでかと、「出演:若草鹿之助、桜よしの」とならべて書いてあるのを見ると、なんだか、奈良観光協会専属の漫才コンビみたいに思える。
ならべて書くのはやめてほしい。
彼女は、大阪、横浜を中心に積極的にライブ活動を行っている。
ついにCD発売ということで、記念のツアーをしていて、今日がその最終日。
地元の「奈良ネバーランド」というライブハウスでファイナルライブである。
先日、彼女から電話で、出てくれないかという。
ファイナルライブを盛り上げるような大役は、ちょっと無理だと遠慮したら、「違いますよ。勘違いせんといてください」。
地元ファンが過熱しないよう、客をしらけさせるような出演者を探していたのだ。
「鹿せんべい飛ばし大会」の動員数をジリ貧にした実績が買われたようだ。
目の付け所がよろしい。
若者たちをしらけさせるためがんばってきます。