朝、バスが学園前の駅に入っていくとき、民主党の衆議院議員、まぶちさんがいるのに気づいた。
「当選お礼!」ですね。
前にも書いたように私はまぶちさんを応援している。
私が、家族以外で一番よく顔を見ているのがまぶちさんだ。
私が乗るバス停に、まぶちさんの大きなポスターがある。
バスを待つ私を、まぶちさんは毎朝じっと見つめている。
誠実そうな顔だ。
夕方、バスを降りるとまぶちさんの前を通る。
やはり誠実そうな顔だと思う。
毎日のことなので、ポスターの中のまぶちさんが私に向かって、朝は「行ってらっしゃい!」、夕方は「お帰りなさい!」とあいさつする声が聞こえるようになったら病院に行った方がいいだろう。
耳鼻科ではなくて精神科だと思う。
「鹿せんべい飛ばし大会」でまぶちさんに声をかけたことがある。
「鹿せんべい飛ばし大会」には、奈良市長や市会議員が来賓として来る。
国会議員ではまぶちさんが初めてだ。
まぶちさんは、「鹿せんべい飛ばし大会」を初めて国政レベルで評価してくれた恩人でもある。
若草山一番ゲート付近でまぶちさんを見つけた私は、近づいて応援していますと声をかけた。
見知らぬ男に声援されて、まぶちさんはうれしそうだったが、そのとき私はまだ若草鹿之助に変身する前だったので、サングラスもかけず、キンキラキンエバラ焼肉のタレ黄金風衣装も着ていなかったのがかえすがえすも残念であった。
もっとも、変身後の私が近寄ったら、まぶちさんは逃げ出したかもしれない。
今朝、バスの中からまぶちさんを見つけて、おめでとうございますくらいは言いたいと思った。
バスから降りた客は、「ありがとうございました」とお辞儀するまぶちさんを無視するように通り過ぎていく。
こっちからわざわざ近づいていくのもなー、離れた所からにっこり笑ってピースサインでもしようかとも思ったが、見慣れたまぶちさんの顔に引き寄せられてしまった。
「おめでとうございます」と言ったらまぶちさんの顔がぱっと輝いて、「ありがとうございます!」と言ったかと思うと「握手」であった。
握手をすることになるとは思っていなかったので、手を出されたときは焦ってしまったが、形だけだと思って出した手を思いっきり強力に握られたのでびっくりした。
負けん気を出して握りかえそうかと思ったが、握力には自信がないのでやめた。