私の読書パターンのひとつに「学校で習ったことよりもう少しくわしく知りたい」というのがあります。
おとなになってからも本を読んでますが、記憶力全盛期にくらべて歩留まりが悪い。
で、私の知識の中心は小学校中学校高校で習ったことになる。
それよりもくわしく知りたい、と思うんですが一気にくわしくなって困ることが多いです。
先日読んだ『荘園』という本がその典型で、「学校で荘園について習ったなあ。もう少しくわしく知りたいなあ」と思って読んだんですが、くわしすぎて「荘園というのはややこしいものでちょっとやそっとではわからない」ということがわかったのであった。
アメリカ独立について知りたいと思った。
よせばいいのに「アメリカ人が書いたものを読もう」と思った。
ネットで探して知ったのがこの『1775』という本です。
アメリカ独立は1776年です。
私がおぼえた年号暗記語呂合わせは「13州、合わせて一つの名になろう」です。
語呂合わせとしては非常によくできてると思います。
年号暗記語呂合わせに「享保の改革非難異論あり」というのがあります。
1716年をおぼえるのに「ひなんいろん」はいいんですが、「享保の改革」との結びつきが弱い。
「寛政の改革非難異論あり」でもいいし「大化の改新非難異論あり」でも「フランス革命非難異論あり」でもよさそうです。
そこへ行くと「13州、合わせて一つの名になろう」はまちがいようがない。
さて、『1775』です。
著者は、独立宣言は1776年だけど実質的には1775年に独立は達成されてたと言いたいみたいです。
「アメリカ人の常識を打ち破る」と書いてます。
「細かいことをいっぱい書きますが細かいことがわからないと全体はわかりません」と言ってます。
だから無茶苦茶細かい。
アメリカ人の常識を打ち破る勢いで書かれた本を高校世界史レベルの私が読むのは苦しい。
「独立戦争において宗教が果たした役割は現代のアメリカ人が考えるよりはるかに大きい。ハイチャーチは・・・一方ローチャーチは・・・そしてピューリタンは・・・クエーカー、ドイツ改革派、バプティスト・・・」
18世紀初頭、アメリカに流れ込んだ何十万という人間の中でイギリスから送り込まれた囚人は20%ほどだそうです。
植民地の人たちはイギリス本国に対して「囚人を送り込むな!」と訴えたけど無視された。
当時サムエル・ジョンソンは「アメリカが何人の国かと言えば囚人の国だ」と言ったそうです。
囚人のほかに借金まみれの「年季奴隷」がいた。
ヨーロッパで食い詰めてアメリカに渡るにも船賃がない人たちが多額の借金をして5年とか10年契約で働いて返済した。
悲惨な境遇だった。
今の日本でも聞くような話で、人間のすること今も昔も洋の東西も関係ない。
というようなことはわかるんですが、アメリカ独立はますますわからない。