渡り鳥なぜ渡る。
そこにエサがあるからだ。
単純である。
そこにエサがあるとなぜ知ってる?
これは単純じゃないと思います。
オオソリハシシギという渡り鳥が、アラスカからニュージーランドまで、1万2千キロを、8日間ノンストップで飛んだことが確認されたそうだ。
すごい!
オオソリハシシギを尊敬します。
正直言って、これまで「シギ」という鳥をあまり尊敬してなかった。
バカにしてたわけじゃないが、「シギ?ふ〜ん」という感じだった。
知らなかったとはいえ、申しわけのないことであった。
1万2千キロ8日間ノンストップと聞いて、一気に尊敬する。
えらい!と思う。
なにがえらい?勝手に飛んでるだけだ、という意見もあると思う。
渡る世間に鬼はない、渡るほかには能がない、てなことを言う人もあるかもしれない。
しかし、単純に見てと言うか公平に見てと言うか、まあえらいと思う。
引退を発表した高橋尚子選手も、勝手に走ってただけとはいえ、ご苦労さまでしたが、オオソリハシシギにもご苦労さまでしたと言いたい。
国民栄誉賞をやってもいい。
ニュージーランド政府観光局のホームページを見たら、オオソリハシシギは、3月頃、ニュージーランドを出発して、9月頃に帰って来るらしい。
どういう事情か知らないが、ニュージーランドからアラスカに行く時は、日本にも立ち寄るそうだ。
名誉なことである。
ニュージーランドのクライストチャーチという所から、数羽から数十羽の群れが、次々と飛び立っていく。
最後の群れの出発が確認されると、クライストチャーチ大聖堂の鐘が打ち鳴らされる。
いい感じです。
さて、このオオソリハシシギの、本籍地と言うか、住民登録はどうなるのであろうか。
アラスカとニュージーランドで半年ずつ。
住所不定、というわけでもないだろう。
ニュージーランドの人は、オオソリハシシギを「ウチの鳥」と思ってるのだろうか。
人間の「渡り鳥」は、「ゆくえ定めぬ風来坊」というイメージだが、渡り鳥はそうではない。
ひたすらに、まっしぐらに目的地を目指す。
人間の「渡り鳥」とはえらいちがいだ。
いっしょにされたら大迷惑だろう。
ニュージーランドの鳥でもアラスカの鳥でもいいけど、国籍に関係なくオオソリハシシギはえらいと思います。