若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

オリンピック

昨日ラジオのニュースを聞いていたら、「鳥のオリンピックまであと22日」と言っていた。
4年に一度の鳥類の祭典だ。

「鳥のオリンピック」の花形競技、「渡り鳥レース」はシベリアからスマトラまで、一ヶ月以上に渡る過酷な戦いだ。
メダル候補の、ナベヅルやハイイロガンなどはすでにシベリア入りし最終調整に余念がないようだ。
この「渡り鳥レース」には、四十年ほど前、人類として初めて小林旭が「ギターを抱いた渡り鳥」として参加、次に水前寺清子が「涙を抱いた渡り鳥」で参加したが、鳥にはかなわず惨めな結果に終わっている。

「鳥のオリンピック」に刺激を受けて始まったのが古代オリンピックだ。
ホメロスの「アテネ日記」に、「鳥もすなるオリンピックというものを人もせんとてすなり」とある。

ギリシャ人は競い合うことが好きだった。
古代オリンピックは、スポーツだけでなく学問芸術部門もあった。
哲学部門の金メダリストとして、ソクラテスプラトンが有名だ。
哲学と言っても、議論をして相手が黙るまでしゃべりたおすのだから激しい競技だった。
しゃべくりだけでなく相手の頭をたたく「どつき哲学」もあった。

数学部門ではアルキメデスユークリッドが知られている。
意外に思われるか知れないが、アルキメデスは銀メダルしか取っていない。
数学部門は問題を解く速さを競うのだが、アルキメデスより速い人がいたのだ。
ハシリメデスという人だ。

彫刻部門では「ミロのビーナス」が有名だ。
もとからこの名前で呼ばれていたのではなく、出品の順番に従って「エントリーナンバー17のビーナス」と呼ばれていた。
このビーナスには出品当時両手があった。
下半身をおおう布を押さえていたのだが、アホでエッチな男が両手を取れば布が落ちると思って切り取ったのだ。

古代ギリシャにアホでエッチな男なんかいたのかと疑問に思う人はギリシャ哲学の読みすぎだ。
ギリシャ哲学ばかり読むのはよくない。
私みたいになります。

この男はすぐ捕まって、ギリシャ法の「目には目を、手にはお尻を」により、ビーナス像の前でお尻を鞭打たれた。
それを見たビーナス像が「ざまー見ろ!」と叫んだ。
以後、アテネ市民は、「エントリーナンバー17のビーナス」を、親しみを込めて「ざまー見ろのビーナス」と呼ぶようになり、その後省略されて「見ろのビーナス」と呼ばれている。