若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

走る人

走る人を見るのは好きだ。
走るのは嫌いだし、走っているところは見られたくない。

なぜ走る人を見るのが好きなのか。
元気そうだからか。
私が見かけるような「走る人」は、「元気だからっ走ってます」という感じだ。
走れメロス」みたいな人はいない。
命がけで走る人は見たくない。

ラソン箱根駅伝は命がけに近いかもしれない。
だから、陸上競技の走る人より、走る市民の方が見ていて楽しい。
走る市民と言っても「市民ランナー」というのではなく、好きで走ってるんじゃないんですよ!たまたま走らざるをえなくなって走ってるんです!ホント、もうたいへんなんっすから!という感じの人がいい。

以前大阪市内で見かけた元気なおばあちゃんがいい。
かなり大きな交差点付近を、和服下駄履きショッピングカーをひいたおばあちゃんが歩いていた。
歩行者用信号が点滅し始めたとたん、おばあちゃんは、着物のすそをひるがえして猛ダッシュ!ショッピングカーは宙を飛び、カタカタカタッとフラメンコカスタネットのごとく下駄を鳴らし、交差点をななめ横断したのであった。
見事であった。
昔国体に出場したことがあるナと思った。

駅で走る人を見るのも好きだ。
好きですが、危険ですからホームでは走らないでください。

子供が走っているとちょっとかわいそうに思う。
若者が走るのは気持ちよろしい。

時々朝の駅で見かける中年男性は心臓に悪い走り方だ。
本人じゃなくて見てる方の心臓に悪い。
いつも停車中の電車の前の方に乗りたくて電車に沿ってひょこひょこ走る。
エンエンと走る。
ベンチに座って見ている私はドアが閉まるのじゃないかとハラハラする。
早く乗れ!と心の中で叫びながら見ている。
以前、ひょこひょこ走っているうちに、プッシュ〜とドアが閉まったときは、ベンチから滑り落ちそうになってしまった。

今朝見た若いお母さんはよかった。
片手でバッグを持って、もう一方の腕で2歳くらいの女の子を抱いていた。
やはり前の方に乗りたいようで、ホームを走ってくる。
女の子が腕の中でゆれている。
毛糸の帽子をかぶって赤いオーバーを着ている。
お母さんは気合の入った表情で走っているが、女の子はきょとんとしている。

私の前を駆け抜けていく後姿がいい。
なぜいいのかわからんが、いいなと思ったのであった。