若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ジョン・ゴールト『教区年代記』

JOHN GALT(1779~1839)という名も知らぬ作家が1821年に書いた『ANNALS OF THE PARISH』という今では忘れられた小説をなぜ読むことになったのか、一言で言うとアマゾンのおかげです。

 

スコットランドの小さな村の教会で50年間務めた牧師が引退後に思い出を語るという体裁の小説です。

スコットランド語」(?)がちょくちょく出てくる。

「ane」とは何かと思ったら「one」のことなんです。

まあ、英語をスラスラ読める人にはややこしいと思うけどスラスラ読めない私にとっては英語でもスコットランド語でも辞書を引くのはいっしょだから特にややこしいことはありません。

何も知らずに読み始めたんですが私好みのふつうのお話みたいです。

 

ボルウイダー牧師は1760年10月25日、ジョージ三世の即位の日にダルメイリングの教会に着任した。

村人が選んだのではなく派遣されて来た牧師だったので猛反対を受けた。

村人からののしられ石を投げられ兵隊の護衛でやっとの思いで教会に入った。

着任のあいさつに村人の家を訪ねても門前払いであった。

しかし50年後の退任の時には村人たちは涙を流して惜しんでくれた。

 

1761年は村人たちが紅茶を飲みだした年として記憶に残る。

それまでは金持ちしか飲めないぜいたく品で、牧師は何度も紅茶を飲んではいけないと説教した。

密輸品が入ってくるようになって村の人も飲めるようになった。

飲むと言ってもティーカップなんか持ってないのでバケツみたいな入れ物からひしゃくですくって飲んでいた。

それまで村人たちはミルク酒を飲んで昼間から赤い顔をしていたので、牧師は紅茶のほうがマシだと思った。

 

大地主が亡くなった時息子が大理石のすばらしい碑を作って父親をたたえる文句をラテン語で刻ませた。

牧師は「地主さんはラテン語を読めないのになぜラテン語で刻ませたのか」と不思議に思った。

 

牧師の奥さんはしっかりもので、家で作ったバターやチーズを売って稼いででくれたので牧師の給料は全額貯金できました!

こんなどうでもいいような話が延々と続くようで楽しみである。