若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

半鐘

栃木県、茨城県で半鐘の盗難が相次いでいる。

これまでに35個盗まれたそうだ。
半鐘は青銅製で、銅など金属の価格が高騰しているので、転売目的だろうということである。

転売?
半鐘をぶら下げて行って売るのであろうか。

子供のころ、「ウエディングベルが盗まれた」という歌がはやった。
アメリカの歌で、日本では、江利チエミが歌っていたように思う。

「♪フガッタディンドン、フガッタベル」という歌詞を覚えている。
なんとなくおかしく、どことなくロマンチックな題名だ。
どんな内容の歌だったのか。

「半鐘が盗まれた」では、歌になりませんね。

小学校へ行く道に、火の見やぐらがあった。
てっぺんに半鐘があったが、鳴らされたのを聞いたことはない。

何年か前、会社のある市の消防署の人としゃべっていて、火の見やぐらの話になった。
昔は、あちこちにあったが今は見かけない。

その消防署の屋上高く望楼がある。
使ってるんですか、と聞いたら、だいぶ以前から使っていないとのことであった。
二、三十年前までは、二十四時間交代で見張っていた。
付近に望楼より高い建物がなく、はるか遠くまで見渡せた時代である。

半鐘の音を聞いたのは、小学校の時見た映画の中だ。
津波を知らせるため村人がたたいた。

小学3年生のとき見た「ゴジラ」はどうだっただろうか。
ひょっとすると、ゴジラが現れたのを知らせるため、半鐘をたたいていたかもしれない。

今回の盗難について、使っていないから盗まれても気づかないと言っている人がいた。
そうでしょうな。

かと思うと、町の安全の象徴を盗むなんて許せない、と言ってる人もある。

たしかに、昔は、火事を知らせ、津波、山津波、堤防の決壊、どろぼうあるいは隣村との水争いなど、緊急事態を告げる重要な施設だった。
半鐘を盗むのは、単なる窃盗ではなく、村の安全をおびやかす、極めて悪質で重大な犯罪だった。
村人総出で犯人を袋叩きにした。

半鐘を盗むと半死半生ですネッ。