ソマリア沖に出没する海賊が、世界的問題になっている。
ソマリアとかモルッカ海峡とかの海賊の話を聞くまでは、私にとって、「海賊」は、ロマンチックといってもいいような響きの言葉だった。
漫画とか冒険小説にしか出てこない、古き良き悪党。
同じ古き良き悪党でも、海賊の方が山賊よりマシな感じだ。
山賊はひげ面で、いかつくて、ガラが悪そうで、声も悪いように思う。
海賊は、男前でスマートで、声もいいのではなかろうか。
山賊には悪いがそんな気がする。
さて、ソマリア沖の海賊対策として、政府は自衛艦を派遣する準備を進めているようだ。
中国やインドなどはすでに派遣しているらしい。
こういうのは国連ではやらないのだろうか。
わが国が派遣する海上自衛隊の護衛艦二隻の名前には首をかしげた。
「さざなみ」もイヤにおとなしいと思うが、「さみだれ」とは?
風流だとは思いますが。
「さざなみ」と「さみだれ」がやってくると聞いても、ソマリアの海賊はこわがりそうにない。
ひょっとすると、二隻を見た海賊が、短歌を詠むかもしれない。
ソマリアの岸のさざなみよるさへやあまりてなどかさみだれのころ
海賊にしてはよくできた歌だ。
自衛隊の艦船には、いろんな名前がある。
「こんごう」「はるな」「ひえい」など、地名型はよろしい。
国を守る、という感じがする。
「たかなみ」「おおなみ」はいいけど、「さざなみ」には抵抗を感じる。
「いなづま」「いかづち」はいいけど、「はるさめ」「きりさめ」「あけぼの」は、ちょっと。
源平合戦のころの馬の名前みたいだ。
しかし、世界の戦闘艦の中では、文学的な艦名として威張れるかもしれない。
こういうのは誰が決めてるんでしょうか。