1937年アカデミー賞受賞作品『ゾラの生涯』をDVDで見ました。
まあ、「良心作!」というとこでしょうか。
ゾラが、「私は作家だからしゃべるのは苦手だ」と言いながら、大演説をぶちまくるのがちょっとヘンでしたが。
このDVDの「特典映像」が不思議でした。
ふつう、「特典映像」というと、撮影裏話みたいなのが多いですね。
『サウンドオブミュージック』は、本編より特典映像の方が面白かった。
この『ゾラの生涯』の「特典映像」は、短編映画三本でした。
かわってますね。
その中の一本が『かわいい外交官』というんです。
『ゾラの生涯』と同じころの映画です。
インドに駐留してるイギリス軍の要塞が舞台で、ガンコな隊長が、自治権を要求する現地の武装勢力を鎮圧しようと頑張ってる。
司令部の人が、「外交努力も必要だ」と主張しても、軍事的圧力一点張りという、だれかさんみたいな隊長です。
一触即発の緊迫した情勢の要塞に、どういうわけか隊長の10歳くらいの孫娘がイギリスから一人でやってくるんです。
ホントに、これ、どういうわけですかねえ。
とってもかわいい女の子です。
両親を事故でなくしたとは思えないほど明るくて元気ハツラツです。
もちろんおちゃめでお転婆ですから、要塞を抜け出して、武装勢力に捕まってしまう。
もちろんそんなかわいい女の子ですから、武装勢力の首領もメロメロで、要塞に送り届けることになって、とちゅうで孫娘を奪い返すために出撃してきたイギリス軍と出会って、隊長と首領は意気投合してめでたしめでたしという、不思議な映画でした。
この女の子が非常にかわいいのでネットで調べたら、1930年代にハリウッドで売り出しかけた子役で、シビル・ジェイソンという人でした。
4歳か5歳のころ、イギリスの舞台で人気だったのを、ワーナーブラザースが、「その子をとれ!」と即決で長期契約した期待の子役で、20世紀フォックス社の天下無敵の超々々人気者シャーリー・テンプルの対抗馬に育てたかったようです。
ワーナーブラザースは、シャーリー・テンプルを意識するあまり、シャーリー・テンプルの後追い作品ばかり作ったので、残念な結果に終わったということです。
ワーナーブラザースを首になった後、20世紀フォックスに移って、シャーリー・テンプルの相手役を務めて、生涯の友となったというのはちょっといい話ですね。