さっきNHKニュースを見てました。
字幕:「国産ロケットH3 打ちあがらず」
え?
なんかヘン。
「打ち上げ失敗」じゃなくて「打ちあがらず」?
ふつう、「打ちあがらず」を「失敗」と言うんじゃないんですか。
「大人の知恵」というやつですか。
「ものも言い様で角が立つ」
「打ち上げ失敗」なら私だったら「あほか!なにやっとるんじゃ!責任者出てこい!」となります。
「打ちあがらず」なら「えらいマンの悪いことで・・・まあ次がんばっておくれやっしゃ」くらいですむ。
「打ちあがらず」だと八方丸く収まる。
責任追及も原因究明もない。
映像を見るとエンジンに点火されて白い煙が盛大にモクモクと上がってるんです。
煙はモクモクと上がるけどロケットは微動だにしない。
倒れもせず爆発もしない。
落ち着き払ってる。
知らん顔で立ってるロケットを見てると、「打ち上げ失敗」ではなくて「打ちあがらず」が正しいように思えてくる。
気が乗らなかっただけ。
「そんなこともあるさ。ロケットだもの」 相田みつを。
それはいいけど、「打ちあがらず」は日本語としておかしいのではないか。
「打ちあがらず」と聞いてすぐに思い浮かぶのは万葉集巻の三、山部赤人。
田子の浦ゆ打ち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける
すぐ思い浮かんだけどすぐ関係ないと思った。
「打ちあがらず」の原形は何ですか。
「打ちあがる」?
活用形は「打ちあがらば」とか「打ちあがりけり」とか「打ちあがれ」とかですか。
だいたい「打ちあがる」という自動詞はあるのか。
「打ちあげる」という他動詞はあると思います。
「打ちあげられず」という他動詞を使うと「責任者出てこい」になる。
「打ちあがらず」という自動詞だとロケットの自己責任。
しゃ~ないやっちゃなあ、ということで、ま、いいか。