若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ライオンの糞?

サファリパークからのライオンの糞の搬出を阻止すべく、若草鹿之助商店ライオンの糞対策特別プロジェクトチーム(略称:ラ糞対)は、サファリパーク正門前に結集した。

チームリーダーである私と、サファリパーク所長の会談が始まった。
私「糞の搬出は止めてください」
所長「糞を運ぶことをなんと言うか知っていますか?」
私「知りません」
所長「ウン搬と言います」
私「なるほどネ」
所長「糞を専門に運ぶ業者をなんと言うか知ってますか?」
私「知りません」
所長「ウン送業者と言います」
私「なるほどネ」

このスキをついて、ライオンの糞を積んだトラックは出発してしまった。私が、所長の話を感心して聞いていたのがウンのつきであった。

こういうこともあろうかと、私は次の作戦を考えていた。
「フンコロガシ大作戦」である。

「フンコロガシ」はアフリカにすむ昆虫で、動物の糞を転がして食料にする。
これを利用して、JRが沿線にまいたライオンの糞を排除しようという作戦である。
計算によれば、この作戦には、フンコロガシが百万匹必要であった。
それも、ふつうのフンコロガシではなく、ライオンの糞を転がす「アフリカ・ライオン・フンコロガシ」(和名。学名は、「レオパルドゥス・フンマミレヌ・アフリカヌス」。現地では、「ヌガ」と呼ばれている。これはスワヒリ語で、「百獣の王ライオンの糞を転がす恐れを知らぬ勇猛果敢な大草原の黒い小さな怪力の戦士」を意味する)が必要である。
この、アフリカ・ライオン・フンコロガシは、ケニアセレンゲティ国立公園に生息する。

問題は、フンコロガシの捕獲が、研究目的以外には厳しく制限されているということであった。
フンコロガシは、糞を除去するということで、環境にやさしい虫として、昆虫界では初めて、ISO14000を取得しているからである。
特にセレンゲティ国立公園内の「フンコロガシ」の捕獲は全面的に禁止されているし、日本国内への輸入も認められていないのであった。

そこで、当商店では、かねて取引のあった、北朝鮮密輸省の密輸大臣に相談した。

密輸大臣は大変に好意的で、フンコロガシの捕獲には、暇をもてあましている中央情報部の拉致部隊を派遣すること、日本への密輸には「万景峰号」を使うことを確約してくれた。

こうして、フンコロガシ大作戦への道が開けたのであった。