朝日新聞は、JR西日本の、ライオンの糞による鹿と列車の衝突事故防止作戦は大成功だったと報じている。
衝突事故の最多発地帯では、昨年半年で数十件の事故があったが、ライオンの糞をまいた後は、事故ゼロということで、大きな成果が上がったとされている。
ライオンの糞の臭気は,JR西日本当局の想像をはるかに上回るものであったという。その刺激臭に、作業者は全員涙を流し、頭痛、吐き気を訴えるものが続出したとのことである。
「クソシリスキーの法則」の正しさが、改めて確認されたわけである。
さて、北朝鮮人民民主主義共和国密輸大臣の協力を得て実施された当商店の「フンコロガシ大作戦」について報告しておこう。
ケニヤじゃなかったタンザニアのセレンゲティ国立公園に潜入した北朝鮮情報部拉致部隊は、アフリカライオンフンコロガシ百万匹捕獲という偉業を三日間で成し遂げた。北朝鮮では、これを「セレンゲティの奇跡」と呼んでいる。
出発前、アフリカフンコロガシの捕獲法について、親しく指導してくださった偉大な将軍様のおかげであると、この場をお借りして感謝する次第である。
意外と知られていないが、将軍様は虫をとるのがうまい。
アフリカフンコロガシ百万匹を積み込んだ万景峰号は、フンコロガシを白浜の沖合いで特殊船に移し、上陸作戦は終わった。
ライオンの糞は、十一月中に沿線にまかれた。
フンコロガシによって糞を排除する作戦は、真珠湾奇襲にあやかって、十二月八日と決められた。
十二月八日未明、若草鹿之助商店本部よりの無電、「ト」連送、「全員突撃せよ!」を合図に、フンコロガシたちは進撃を開始した。
沿線に置かれた大量のライオンの糞にもひるむことなく、一番乗りに成功したフンコロガシからは、かねて定めてあった暗号無電が発信された。
「ライオンライオンライオン!(われ奇襲に成功せり)」である。これも、真珠湾の時の「トラトラトラ!」にあやかったものである。
フンコロガシたちは実によくフン闘、クソ力を出してライオンの糞を運びまくった。
ところが、事態は意外な方向へと展開した。
アフリカ育ちのフンコロガシ達が冬の寒さに勝てず、しもやけにかかって手足がかじかんで糞を運べなくなったのである。
こうして、作戦は失敗に終わったが、フン戦したフンコロガシたちには、ふんとにご苦労さんと言いたい。
完